あいおいニッセイ同和損害保険が自動運転システムスタートアップと資本業務提携
自動運転に関する保険商品を展開
今回の資本提携により、あいおいニッセイ同和はOxboticaが有するさまざまなモビリティに関するデータへアクセス可能となる。今後、さらに自動運転車向けの商品やサービス開発を進めていくという。
2023年1月11日、あいおいニッセイ同和損害保険は英国オックスフォード大学発スタートアップ企業で自動運転システムの開発を手掛けるOxboticaと、資本業務提携を締結したことを発表した。
これまでにも、両社は2022年5月にMOU(基本合意書)を締結している。無人運転実証実験に関して、あいおいニッセイ同和の欧州子会社である、Aioi Nissay Dowa Europe と協業して無人自動運転車向け専用保険の提供などを進めてきた。今回の資本業務提携ではさらに連携を強めることが目的だ。
自動運転に関わる保険商品の展開
あいおいニッセイでは、これまで自動運転に関する保険商品を積極的に販売してきた。例えば、2020年7月に発表された自動運転中の保険料無償化だ。自動運転機能レベル3を有する乗用車を対象に、自動運転機能を使うほど被保険者が得をするという内容の保険を日本国内で初めて発表した。保険料を「基本保険料」と「運転分保険料」に分け、自動運転モードを使って走行する「運転分保険料」を無料にする。
テレマティクス<Telecommunication(通信)とInfomatics(情報工学)をかけ合わせた造語>を活用した自動車保険では、保険加入者の走行データ、デジタル技術をかけ合わせ、新たなサービスを生み出すことを目標としている。
2021年3月に福井県永平寺町で行われた自動運転レベル3の実証実験では、子会社のMS&ADインターリスクとともに、遠隔操作を伴う自動運転移動サービスのリスク洗い出しや、リスクから算出される適正な保険料の割り出しに協力している。
サポートしているのは移動手段としての自動運転にとどまらない。2022年7月には自動運転ロボット向けの専用保険プラン開発をスタートさせている。人手不足が慢性化している物流業界や、地方での買い物サポート向けのソリューションとして自動運転ロボへの期待値は高い。企業の参入にあわせ、企業向け保険のニーズは高そうだ。