【HF-VPH】直列4気筒 2.0L [HF-VPH : SKYACTIV-X]
プラグ点火を併用する独創の予混合圧縮着火エンジン
- 日本メーカー / マツダ
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純粋な圧縮着火にこだわらず、プラグによる火花点火(SI)も併用するという手法により(マツダではこれをSPCCIと呼称)、安定的な制御が困難とされてきた予混合圧縮着火を完全なコントロール下に置くことに成功。HCCIの本命ともいえるλ=2.0以上の超希薄燃焼はこれまでの常識通りにごく一部の領域のみとなっているが、大量EGRを導入しながら(ただし空燃比はストイキ)SPCCIで燃やし切るという燃焼モードと合わせることで、実用運転領域の大部分をカバー。アイドリングや高回転領域では通常のSI燃焼による運転を行なう。
見た目にはスーパーチャージャー付きのガソリンエンジンで、独特な要素となるのは最大噴射圧力70MPaの直噴システムと、各気筒に配置される筒内圧センサーくらいというシンプルな構成も特徴のひとつ。先に発売された欧州仕様(RON95ガソリンの仕様が前提)は圧縮比が16.3となっていたが、ハイオクガソリン(RON98)推奨となる国内仕様では圧縮比が15.0に変更されている。
SKYACTIV-X初となるアップデート版は制御のみの変更で「SPIRIT1.1」と呼ぶ。
APPLICATION:Mazda3, CX-30
15.0(欧州仕様は16.3)というディーゼルエンジンなみの圧縮比を持ちながら、バルブ挟み角は一般的なガソリンエンジンと同等とされるため、ピストンの冠面形状は大きく盛り上がりながらも中央にキャビティを持つという独特なものとなっている。バルブトレーンにはローラーフォロワーが用いられる。
ディーゼル用のコモンレールさながらの直噴システム搭載。最大噴射圧は70MPaというガソリンエンジン用としては異例なまでの高圧。
マツダがエアサプライと呼ぶスーパーチャージャー。手前側に見える長方形のカバー内には水冷式チャージエアクーラーが収まる。