従来の1.6L/2.0L 2本立てから1.8Lのみとなった新型レヴォーグ用のパワーユニットがこのCB18型。ガソリンエンジンの技術トレンドといえば、ロングストローク化とポート形状により吸気流速を高め、高速燃焼させて熱効率を高めることだが、それを苦手とするのが水平対向レイアウトだ。
ストロークを長くすればデッキハイトが高くなるのは必至だが、幅を広げると搭載性に支障の出る水平対向ではそれが困難だからだ。コンロッド長を詰めるという方法もあるが、そうするとコンロッドの最大偏角が大きくなってスラスト荷重が増し、フリクションが増大して燃費には不利になる。
それを解決するためにスバルが取った手法が、オフセットシリンダーだ。ピストンの摺動軸をクランクセンターより回転方向にオフセットすれば、スラスト荷重が大きくなるパワーストローク側のコンロッド偏角が抑えられるため、直列エンジンではトレンドとなっている手法だが、水平対向やV型ではクランクセンターに対する対称性が崩れるため、量産車に採用される例はなかった。
そこに挑んだのがCB18型で、左右バンクのシリンダーをそれぞれセンターから8mmオフセットした結果、左右間で16mmの高低差を持つ“段違い”配置となっている。低負荷域ではλ=2のリーンバーンで運転、最大熱効率約40%を達成。スバルのエンジニアの執念がこもったエンジンだ。
APPLICATION:Levorg, Forester, Outback
CB18型を正面から見ると、右バンクが低く左が高いのがわかる。左右対称による振動バランスの高さを自ら否定し、新境地へ挑んだ挑戦的なエンジンだ。オフセットシリンダー化によって、シリンダーブロックやコンロッドキャップの締結構造まで変更されている。
この記事は有料会員限定です。
続きを読むには有料会員登録が必要です。