使用済自動車由来のプラスチックリサイクル資源循環システムの確立に向けて業務提携…住友化学とリバー
TREホールディングスグループのリバーと住友化学は4月26日、両社が2021年6月から共同で検討を進めていた使用済自動車由来のプラスチックリサイクルに関する業務提携の契約を締結した。
背景及び目的
自動車業界は100年に一度の大変革時代を迎えたといわれる。カーボンニュートラル及びサーキュラーエコノミーの観点から、使用済自動車由来の素材から新しい自動車を作る取り組みが加速している。
EUでは、かねてよりリサイクル材を使用した製品づくりの議論が活発化している。特に廃棄物由来のプラスチック原料を使用した自動車製造の動きが他の地域にも広がることが予想される。日本の自動車産業が世界での高い優位性を保ちリードするためにも、自動車製造におけるリサイクルプラスチックの品質と量の確保、両面が重要な課題となっている。
こうした状況を踏まえ、廃プラスチックの回収方法や再資源化のプロセス、環境負荷評価などを検証。高品質な再生プラスチックの生産・供給に一定のめどがついたことから、さらに協業関係を強化するため業務提携することとした。
本提携により、住友化学のプラスチックの製造技術と、リバーの使用済自動車のリサイクル技術が融合して使用済自動車由来のプラスチックリサイクルを促進し、自動車業界のサーキュラーエコノミーと「Car to Car」の実現に貢献するとしている。
自動車製造だけでなく幅広い製品に利用可能な再生プラスチックの開発・製造も視野に入れ、温室効果ガスの削減及び環境負荷低減も目指す。今後、両社によるジョイントベンチャーを設立することも検討しているという。
主な内容
1.使用済自動車解体時に回収するプラスチック廃棄物のリサイクルの実装化
2.技術開発におけるシナジーの検証
3.安定品質とトレーサビリティ確保の検討・検証
4.解体回収インセンティブ制度適用に向けた検討
5.将来に向けての施策
循環イメージ
業績の見通し
TREホールディングスによると、本提携が連結業績予想に与える影響は軽微だが、中長期的には連結業績の向上に貢献していくものと考えているという。