スズキ、永大化工とCO₂排出量削減を実現した「モノマテリアル・フロアマット」を共同開発
スズキは、車両用フロアマットの製造・販売を展開する永大化工と、CO₂排出量削減を実現した「モノマテリアル・フロアマット」を共同開発したことを発表した。開発品は今後、スズキの四輪製品用純正用品に採用される予定とされている。
「モノマテリアル・フロアマット」は、フロアマットのパイル素材(カーペット糸)を従来製品のポリプロピレンから、サステナブル素材であるリサイクルポリエステルに置き換えることで、マット製造時のCO₂排出量を削減することに加え、従来製品が複合体であるために分離・リサイクルが困難であった課題に対応した、製品全てがポリエステル100%で構成されたものである。
また、「モノマテリアル・フロアマット」はバッキング(裏面材料)にリサイクルポリエステル不織布を採用することにより、大幅な軽量化が実現されている。従来製品との比較で重量を約40%削減※1することで、原材料製造時のCO₂排出量削減や、燃費の改善、製品輸送時のCO₂排出量削減への寄与が見込まれている。
加えて、ポリエステル不織布バッキングのマットでは止水性の担保が課題とされる中、「モノマテリアル・フロアマット」は止水性を担保※2。軽量化と機能性が両立された。
さらに、「モノマテリアル・フロアマット」およびマットのリサイクル技術の開発成功により、従来製品では不可能であった、マット製造時に発生する端材を樹脂材料にリサイクルし、カーペットのパイル・バッキング原料として再利用する水平リサイクル技術が確立された。これにより、リサイクルポリエステルの使用と軽量化を通じて、従来製品と比較してCO₂排出量を約70%削減※3することが可能となる。
将来的には市場で使われた「モノマテリアル・フロアマット」の回収からリサイクルを目標とすることで、より一層カーボンニュートラル社会の実現に貢献することが目指される。
※1 永大化工の小型車用フロアマット従来製品標準重量との比較
※2 スズキ試験法による試験・調査結果
※3 フロアマットの原材料製造に係るCO₂排出量比較