UACJ、自動車パネル材のプレス成形予測技術の共同開発を開始。自動車メーカーらのアルミ板材用金型の設計期間短縮への貢献
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UACJは、自動車ボディパネル用アルミ板材のプレス成形予測技術について、金型メーカーの富士テクニカ宮津と共同開発を開始したことを発表した。本技術開発は、約25年前から継続検討してきた未解決の難題を解決するための試みであり、カーボンニュートラル社会の実現に向けた取り組みの一環のものとされている。
本予測技術は、自動車メーカーやプレスメーカーでアルミ板材をプレス成形する際に使用される金型の設計に生かされるものである。UACJはボンネット、ドア、フェンダーなどに使用される自動車ボディパネル材を製造・販売している。これらの材料をプレス成形する際に使用される金型は、プレス成形した際に、割れやしわが発生せず、狙った寸法に収まるよう作る必要がある。しかし、アルミ板材のプレス成形予測技術は、プレス成形中に板材がどのように硬くなっていくか、金型表面を板材がどのように滑っていくかなどを成形シミュレーション上で正しく表現するための手法が開発段階にあるため、発展途上の技術になる。
UACJと富士テクニカ宮津は、顧客の課題にソリューションを提供するため、本予測技術開発に取り組むことを決定した。本予測技術の実現により、これまで課題となっていたアルミ板材用金型の設計期間短縮、特に金型設計時の試作回数の低減に貢献することが期待でき、金型製作工程におけるエネルギー使用量を削減できる。さらに、アルミ板材の提供拡大による自動車の軽量化への貢献が期待でき、温室効果ガス(GHG)排出量の低減につながる。
アルミニウム総合メーカーであるUACJは成形シミュレーション技術の開発、富士テクニカ宮津は実プレスによる成形シミュレーション結果の検証を担い、プレス成形予測技術の開発を目指していく。同社は、アルミニウム業界における自動車ボディパネル材のプレス成形予測技術の発展に貢献するとともに、本技術から得られた情報をアルミ板材の開発にフィードバックし、アルミ板材の特性改善も行っていく。
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