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ホンダN-BOX:実際の走行でスーパーハイト系の燃費性能を確かめる|実燃費から見えてくる軽自動車の立ち位置

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ホンダN-BOX:実際の走行でスーパーハイト系の燃費性能を確かめる|実燃費から見えてくる軽自動車の立ち位置

“クルマとしては排気量が小さすぎて効率的ではない”と言われることもある軽自動車だが、実際のところはどうなのか? 効率を表す指標のひとつである燃費を軸に試乗評価してみた。
TEXT:髙橋一平(Ippey TAKAHASHI) PHOTO:市健治(Kenji ICHI)/髙橋一平

アウトインアウトでコーナを駆け抜ける......。

じつはこれ、サーキット走行のハナシではなく、筆者が燃費走行の際に心がけていることだ。タイヤに生じるスリップアングルを極力小さくすることで、コーナーでも走行抵抗の増加を最小限に抑えようというのがその狙いで、一見大袈裟なようだが、筆者はこれが結構効くとみている。高速道路も含め公道はコーナーの連続といっても過言でなく、ストレートであっても“うねり”にともなう修正舵が入れば、そこには巨大な半径のコーナーが出現する。車線変更もしかりである。ひとつのコーナーだけならごくわずかだが、それも積み上げていくと効果として無視できないものになるのだ。


今回はN-BOX(JF3型)における燃費の実力を探るべく、常に燃費を意識しながら走行。こういうと迷惑なノロノロ運転を想像するかもしれないが、もちろんそうならないように交通の流れに乗って走った。冒頭の“アウトインアウト”も単一車線の範囲内でのもので、白線を踏まないようにある程度余裕をもって行なっている。どちらかというと実際にはライン取りというよりもステアリングの手応えを目安にしており、手応えを最小限となるようにライン取りを組み立てていくと、結果として“アウトインアウト”になるというのが正確なところだ。

アクセルペダルの操作も同様で、踏むというよりは指先に込める力の加減で調整しているイメージ。また今回のような内燃エンジン車の場合は、アクセル操作に対するエンジンの反応の遅れから、加速時にどうしても踏みすぎやすいので、目標速度に向かってアクセルを抜きながら合わせていくという操作を行なっている。操作といっても前述の通り指先に力を込める程度の微妙なもの。もちろんステアリング、アクセルともに急な操作は禁物である。

あくまで一般的な使用条件の範囲内で、スーパーハイト系のN-BOX(自然吸気のFF車)が燃費をどこまで伸ばすことができるのか、まず最初に高速道路を中心としたルートを1名乗車で試してみた。東名高速道路上り線の海老名PAをスタート、横浜青葉ICで首都高速道路の横浜北西線/横浜北線(K7)に入り、横羽線から湾岸線に抜けるという約50kmの道のりだ。

60〜80km/hの間に燃費の境界線が
燃費は車載ディスプレイの表示で確認。高速道路を主とする最初の走行(全行程50km)の平均燃費は30.3km/L。制限速度80km/hの区間では20km/Lほどだったが、制限速度60km/Lの区間に入ると目に見えて燃費が伸び、高速道路を降りる直前では平均燃費31.1km/Lを記録している。速度域による燃費の違いには、スーパーハイト系ならではのボディ形状と前面投影面積にともなう空気抵抗が影響していると思われる。

結果はカタログに表記される高速道路モードのWLTC値(WLTC-H)、22.2km/Lをはるかに超える30.3km/L(湾岸線の臨海副都心ICを降り、数キロ走行して自宅に到着した時点でメーター内に表示されていた平均燃費値)。制限速度80km/hの東名高速道路ではスーパーハイト系ゆえの空気抵抗からか、なかなか燃費が伸びなかったのだが、制限速度60km/hの横浜北西線に入ると目に見えて平均燃費表示が伸びていったのが印象的だった。

エアコンコンプレッサーの作動や、右側を追い越していくクルマの風圧による影響を受けるだけで感じる、まるでブレーキがかかったかのような減速感に660ccという排気量を感じる部分はあったものの、思ったよりもアクセルを踏み込まなくても走るというのが正直な感想だ。実際に、今回はOBD用のドングルアダプターを使ってスマートフォンでデータログを取ってみたのだが、80km/h走行時のアクセルペダル開度は平均にして20%程度だった。

著者
Motor Fan illustrated

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