主要OEMの電動車サウンド制御技術一覧、CRI・ミドルウェアはゲーム開発技術をHMIの開発に応用[FOURIN通信]
[FOURIN通信]
1980年創業、自動車産業調査のパイオニア・FOURIN社が刊行する自動車調査月報より、今後の自動車業界を読み解く特別寄稿。毎月末日更新。
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人は視覚だけでなく、聴覚も介してクルマとコミュニケーションをとっている。電動車では、歩行者の安全性確保や運転の楽しさを提供できる人工走行音が採用されている。車の高機能化に伴い、通知・警告音、サウンドスケープ、音声補助機能など音は増加傾向にあり、電動車に最適なHMIとは何かが問われている。
臨場感溢れるエンジン音を真似た走行音などは訴求力が高いかもしれないが、新たなモビリティである電動車にふさわしく、ブランドの独自性を際立たせるサウンドを追求する動きもある。その一方で、Volvo Carは運転安全性の観点から、ドライバーの集中力を阻害しないように、音の使用を安全性用途に限定している。
電動車に最適なHMIとは、電動車の運転の楽しさを伝えるものだとする、自動車業界以外からの意見がある。ゲーム開発の音と映像の技術を手がけるCRI・ミドルウェアは、今後HMIは、車速や加速に加え、ブレーキや電池出力などの変化を音と映像で表し、ドライバーが車両状況を直感的に理解できるものになると考えている。
このようなHMIの開発効率化のため、CRI・ミドルウェアはゲーム開発と同様にミドルウェアによる音や映像の設計と実装の分離を提案。これにより、プレビューでデータと実動作の確認・調整ができ、手戻りなくほぼ設計通りにHMIを実装可能。また、得意とするデータ圧縮で、高品質・低遅延・低消費電力も実現できる。