レクサス、新型「LX」にブランド初の新開発ハイブリッドシステムを設定した「LX700h」を世界初公開
レクサスは、LXを一部改良し、さらにLEXUS初となる新ハイブリッドシステムを搭載したLX700hを10月10日(木)に発表した。LXは、「世界中のどんな道でも楽に・上質に」をコンセプトとしたフラッグシップSUVだ。今回LEXUSはLX700hの導入にあたり、新しいパラレルハイブリッドシステムを開発。モータートルクを活かした、レクサスらしい走りの実現と共に、環境性能においては、車両使用時の年間CO₂排出量をグローバルの全台数分でこれまで以上に低減している。
目次
「信頼性」「耐久性」「悪路走破性」を守り抜く新開発ハイブリッドシステム
1. LEXUS初のパラレルハイブリッドシステム
LXの「信頼性」「耐久性」「悪路走破性」を支える駆動系、“フルタイム4WD”、“トランスファーLoレンジ”、“トルクコンバータ付AT”を電動化においても維持すべく、V6 3.5Lツインターボエンジンと10速ATの間に、クラッチを有する「モータージェネレーター(以下MG)」を配置した、パラレルハイブリッドシステムが新たに採用された。
エンジン+モーターの高出力・大トルクを確実に路面に伝えると共に、シチュエーションに応じてエンジンのみ・モーターのみへの走行の切替をハイブリッド制御システムが最適にコントロールする。また従来のLEXUSパラレルハイブリッド車には装備されないオルタネータとスタータを標準装備、万が一ハイブリッドシステムが停止した場合にもスタータでのエンジン始動が可能、オルタネータで発電した電力を12V補器バッテリーへ供給することでエンジンのみでの退避走行を可能とする、LEXUS初のシステムである。
退避走行中もトランスファーLoレンジの使用やアクティブハイトコントロールAHC※1による車高調整、A-TRAC※2の作動が可能となっており、悪路走破にも寄与する。
※1 AHC:Active Height Control
※2 A-TRAC:Active Traction Control
2. エンジン車同等の渡河性能
リヤフロアに搭載したハイブリッドメインバッテリー本体を、上下に分割した防水トレイでパッキングする防水構造を採用。深水路等での水の浸入を防ぐことで、エンジン車同等の渡河性能700mmが確保されている。万が一防水トレイ内に水が浸入した際にはトレイ内に配置した被水センサが検知、メーター表示によるドライバーへの注意喚起を行う。
3. モータートルクを活かした走り
応答性の良いモーターのトルク特性と大排気量ツインターボエンジンの組合せにより、低速においてはアクセル低開度からレスポンスの良いリニアな発進・加速を、アクセル踏み込み時や高速域においては大トルクを活かした力強く伸びのある加速を実現、LEXUSらしい“対話のできる走り”が追求されている。
オフロードにおいてはトランスファーHiレンジに留まらず、Loレンジでのモーター駆動をLEXUSとして初めて採用、マルチテレインセレクトの各モードと組合わせ、繊細なアクセル操作が要求される岩場やダート・深雪路等においてはモーターのみでの走行も一部可能とし、高い走破性とコントロールのしやすさが両立されている。
4. 給電機能
センターコンソール下に配置されたACインバータ(防水構造付)によって、1,500Wまたは2,400W(地域によって異なる)までの給電が可能とされている。センターコンソール後部とデッキにコンセントを配置することで利便性も向上。様々なアクティビティや災害時の非常用電源としても活用することができる。
5. GA-Fプラットフォームの改良
MGの追加により重量が増加し、かつ全長が伸びたパワートレーンを搭載するために専用のクロスメンバー(クロスメンバーNo.3)を新設、断面と板厚を最適化し薄型形状とすることでエンジンモデル同等の最低地上高が確保されている。パワートレーンの重量増に合わせ、リヤエンジンマウントの材質もより耐久性の高いものに変更されている。
また、リヤフロアへのハイブリッドメインバッテリー搭載に合わせ、スペアタイヤ位置変更の為にスペアタイヤクロスを新設、取付角度を最適化することで搭載位置を下げつつもデパーチャアングルを維持、悪路走破性とサービス性が両立されている。
12V補器バッテリーの搭載位置をエンジンルーム内からリヤのデッキ横に変更、専用の金属トレイと脱着式のバッテリーブレースを設定し、交換のしやすさとリヤクォータまわりでのボディ剛性の向上が両立されている。