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TECHNOLOGY

WaymoとUberの技術・ノウハウが融合!完全自動運転車によるフードデリバリーサービス

自動運転タクシーの配車とフードデリバリーがひとつのプラットフォーム上でシームレスに連携

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WaymoとUberの技術・ノウハウが融合!完全自動運転車によるフードデリバリーサービス
横断歩道を渡るウェイモの完全自律走行ミニバン、クライスラー・パシフィカハイブリッド

米アリゾナ州フェニックスで展開する完全自動運転配車サービスWaymo One(ウェイモ・ワン)と、世界中に巨大な顧客ネットワークを有するUber(ウーバー)とUber Eats(ウーバーイーツ)を統合した、次世代の配車・配送サービスが2023年内に誕生するようだ。

Alphabet(アルファベット)傘下であり自動運転車開発企業のWaymoが、配車とフードデリバリーサービスで有名なUberと複数年のパートナーシップを提携することを発表した。これにより、Uberのプラットフォーム上で、Waymoが提供する完全自動運転タクシーの配車が可能になるという。

過去に大きな裁判沙汰を起こしたWaymoとUberだが、独自の技術とノウハウを共有した新たなモビリティサービスの誕生が世界中にハッピーなニュースを届ける。

WaymoとUberの強力タッグで完全自動運転配車サービスを提供

2023年5月23日、Waymoの公式ブログにて、WaymoとUberが2023年後半にパートナーシップ提携を予定していることが発表された。

このパートナーシップ提携により、Waymoの完全自動運転車を利用した配車・配送サービスが、UberおよびUber Eatsのアプリ上から利用可能となることが明らかになった。Uberユーザーは、空いているWaymoの自動運転タクシーをアプリから手軽にリクエストし、配車および配達に利用できるようだ。配車・配達に利用されるWaymoの自動運転車は、Uber用に新たに開発されたものではなく、既存の車両が割り当てられる。

なお、同サービスでリクエストが可能なエリアは、Waymoの自動運転タクシー配車サービスであるWaymo Oneの提供エリア内となっている。

Waymoが誇る世界最大の完全自動運転サービスエリア

世界をリードするWaymoの自動運転車開発技術と、Uberが有する大規模なライドシェアリングおよび配送ネットワークの統合により、完全自動運転サービスがより多くの人々により利用可能になる。

Waymoは自動運転車に関する独自のノウハウとソリューションを持っているだけではなく、Waymo Oneにて世界最大の完全自動運転サービスエリアを開拓している。

2018年12月にリリースされたWaymo Oneは、世界初となる自動運転車による商用タクシーサービス。当時は米アリゾナ州フェニックスの一部ユーザーを対象に、セーフティドライバーが同乗する形でサービスが提供されていた。完全自動運転によるサービス提供が始まったのは2019年末頃からで、2020年10月頃からは一般ユーザーでも利用可能となった。

2023年5月4日、Waymo Oneは米アリゾナ州フェニックスでのサービス提供エリアの拡大を発表した。この該当エリア内にて、将来的にUberプラットフォーム上にてWaymoの自動運転タクシーの配車および配達を利用できるようになるという。

Waymoの共同最高経営責任者(CEO)であるはテケドラ・マワカナ氏は、公式ブログ上で「我々のサービスを通じて、完全自動運転の楽しさ、そして人々の命を救うメリットを皆さんに体験してもらえることを嬉しく思う」と述べている。

WaymoとUberは裁判沙汰になった過去がある

WaymoとUberは過去に裁判沙汰になったことがあるため、パートナーシップ提携に驚いた人もいるだろう。

●2017年2月、WaymoがUberに機密情報を盗まれたとして提訴

Forbesの記事によると、2017年2月にWaymoは、元Waymoのエンジニアであったレヴァンドウスキーが中心となり、Uberが機密情報を盗んだとして提訴した。

レヴァンドウスキーは、2016年にUberが6億2500万ドル(約860億円)で買収した自動運転トラック会社Ottomottoを設立した人物である。Waymoは、レヴァンドウスキーが1万4000以上にも及ぶ機密ファイルを盗み、Ottomottoの立ち上げに利用したと主張したのだ。

●2018年、UberがWaymoに約340億円を支払うことで和解

このトラブルは、UberがWaymoに対し、当時約340億円である自社株の0.34%を支払うことで2018年に和解に達している。首謀者であったレヴァンドウスキーに対しては、18カ月の禁固刑、さらにはWaymoの親会社に対して1億7900万ドル(約248億円)を支払うことが命じられた。

●レヴァンドウスキーがUberに法的措置の補償を要求

納得がいかないレヴァンドウスキーは、自身がOttomottoを買収する際に起こした法的措置を補償することをUberに要求した。Uberはレヴァンドウスキーの要求に対し、1億7900万ドルの内から相当額である200万ドル(約2億7000万円)をレヴァンドウスキーに支払うことで和解に達した。

巨額の和解金が動く大きなトラブルとなったが、現在のWaymoとUberは良好な関係にある。2022年には、WaymoとUberの貨物輸送部門が手を組み、自動運転トラック実装の効率化を目指す取り組みを進めている。

完全自動運転の配車サービスの成功は世界中で期待されている

Waymo公式ブログでテケドラ・マワカナ氏は、「Uberは長年にわたって人力によるライドシェアリングのリーダーであり、我が社の先駆的なテクノロジーと完全自動運転車とUberの顧客ネットワークを組み合わせることで、より多くの人々にリーチする機会を得られるだろう」と将来に期待を寄せる発言をしている。

完全自動運転車による配車・配送サービスは、米国のみならず、世界各地で求められている新たなモビリティサービスの一つだ。日本でも、都市部を中心として多くのタクシー利用者とUberユーザーが存在するが、配車とフードデリバリーをいちプラットフォーム上で利用できるようになれば、利便性も満足度も向上するだろう。また、事業者側としては、運転者のリソースを確保することなく、配車サービスを展開できるメリットもある。

完全自動運転での配車・配送サービスは、日本ではまだまだ実証実験が必要な段階だが、世界で多くの成功事例が生まれることで、現実になる日が近づいてくるだろう。

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