外部から樹脂を注入し硬化させるCFRP製法、RTMとVaRTM:熱硬化性CFRPの製造方法(その2)
前稿で紹介したオートクレーブは樹脂含浸済みのCF素材を成形する。それに対し、成形段階で樹脂を外部から注入して硬化させる方法がRTM:Resin Transfer Moldingである。
プリプレグは樹脂含浸そのものを素材メーカーが行ない、樹脂量をコントロールし、最適な状態にしてある。あとは炉に入れるだけだ。ただし、下流工程に負担をかけない素材のためコストが高く、しかも設備投資がかさむオートクレーブ炉をつかうという点が製品コストを押し上げている。そこで、プリプレグも炉もつかわずにCFRPを成形する方法としてRTMが考案された。
いっぽう、VaRTM(Vacuum Assisted Resin Transfer Molding )は基本的にRTMと同じ成形法だが、樹脂を注入しながら真空引きをつかうことで製品強度と精度を確保する。すでに航空機部品の製造にも採用されている。