日産、琉球大学とEVを活用した産学連携協定。養殖場の持続可能な電源活用を検証
日産自動車、琉球日産自動車と琉球大学の3者は7月8日、「電気自動車を活用したSDGsの取り組みに関する産学連携協定」を締結した。同協定のもと、電気自動車(EV)の充放電システム(V2H※)を使用し、持続可能な陸上養殖の実用化に向けた検証を開始する。
琉球大学は、資源循環型共生社会実現に向けた、農水一体型サステナブル陸上養殖のグローバル拠点プロジェクト(琉大ミーバイプロジェクト)を通じて、持続可能かつ新たな産業創出に向けて研究開発を進めている。この陸上養殖場は、2023年に発生した台風6号の影響により、養殖機器が停止するなどの被害に見舞われた。このことから、陸上養殖への非常用電源確保の重要性が高まっており、今回のEVの大容量バッテリーを生かした持続可能な養殖場運営の実用化検証へと繋がった。
日産自動車は、これまで培ってきたEVに関するノウハウやネットワークを活かし、エネルギーマネジメント、サーキュラーエコノミー、サステナブルツーリズム、地域交通、次世代教育を通じ、脱炭素化、災害に対する強靭化の実現により社会変革を促す、日本電動化アクション「ブルー・スイッチ」を国内の販売会社と共に推進している。EVの普及によるゼロ・エミッション社会構築を目指し、SDGsの達成や地域社会の発展に貢献するため、全国の自治体や企業、団体と連携している。
日産自動車が推進する「ブルー・スイッチ」の枠組みの活用により、琉球大学が目指す脱炭素社会の実現とそれに資する技術研究が期待されることに各者が賛同し、同協定を締結する運びとなった。
同協定による取り組み内容は、再生可能エネルギーの利活用、EVを活用した災害対応、脱炭素化の課題解決に資する新技術の共同研究などのほか、教育の相互支援と人材育成、琉球大学におけるリカレント教育の実施、キャンパス車両のEV化促進、脱炭素及びSDGsに関連する各種イベントへの相互参画や、EVからの電力供給による地域振興などを含む。
3者はEVの積極的な活用により、脱炭素社会の実現やSDGs達成に向けてさまざまな分野で共創していく。
※V2Hは「Vehicle to Home」の略。EVの電力を家庭や建物の電力として活用するシステム