チューリング、完全自動運転AI開発のための専用計算基盤「ガグルクラスター」運用開始。NTTドコモのグループ企業が支援
Turing(チューリング)は10月30日、完全自動運転を実現するための専用計算基盤「Gaggle Cluster(ガグルクラスター)」の構築を完了し、運用を開始したと発表した。
チューリングは、完全自動運転技術の開発を行うスタートアップ。
ガグルクラスターは、96基のNVIDIA H100 GPUを搭載した同社の専用計算基盤。NVIDIA InfiniBand/NDR400を用いたネットワークにより、大規模AI学習で複数のGPUを同時に使用する際、ボトルネックとなっていたサーバー間の通信速度の制約を最小化している。All-Flash分散ストレージを採用することで、分散学習での性能を引き出し、クラスタ全体を「単一の計算機」として大規模な深層学習タスクに最適化した。
基盤の構築は、NTTPCコミュニケーションズによる技術的な支援と、NTTドコモ・ベンチャーズによる出資など、NTTドコモのグループ企業による支援により実現。NTTPCコミュニケーションズは、GPU計算基盤におけるGPUノード間を高速通信するためのインターコネクト技術や「GPUプライベートクラウドTM」でGPU計算基盤を提供した。
ガグルクラスターを活用した独自の自動運転AI「TD-1」も開発し、走行試験を開始。TD-1は、同社の自動運転システム開発プロジェクト「Tokyo30」用の自動運転AIで、カメラ映像のみを入力とし、周辺地図・車両/歩行者の認識・ドライバーの運転操作までを単一のモデルで出力するTransformerモデルとなる。
同計算基盤は生成AI開発にも活用しており、8月に自動運転向け生成世界モデル「Terra(テラ)」、9月には自動運転向けVLAモデルデータセット「CoVLA Dataset(コブラ データセット)」を発表。現実世界の物理法則や物体間の相互作用など、複雑な状況を理解した上で高度な判断が可能な自動運転システムの開発を進めている。
今後も、ガグルクラスター稼働により完全自動運転の実現に向けた取り組みを推進していく。