チューリング、国内生成AI開発プロジェクト「GENIAC」第2期に採択。NEDOから5.2億円分助成
Turing(チューリング)は10月10日、経済産業省および新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が推進する国内生成AI開発プロジェクト「GENIAC(ジーニアック)」の第2期に採択されたと発表した。完全自動運転に向けた身体性を持つマルチモーダル基盤モデルの開発を推進していく。
チューリングは、完全自動運転の開発に取り組むスタートアップ。カメラから取得したデータのみで、ステアリングやアクセル、ブレーキなど、運転に必要なすべての判断をAIが行うE2E(End-to-End)の自動運転システムを開発しており、2030年までにハンドルのない完全自動運転車の実現を目指している。
GENIAC(Generative AI Accelerator Challenge)は、国内の生成AIの開発力強化を目的として、経済産業省とNEDOが協力して実施する事業。基盤モデルの開発に対する計算資源の提供や、データやAIの利活用に向けた実証調査の支援等を行っている。
今回、同社の「完全自動運転に向けた身体性を持つマルチモーダル基盤モデルの開発」が採択された。2024年2月に発表された第1期に続く2度目の採択となり、GPU計算資源の活用およびデータセット構築のための事業に対して合計約5.2億円分の助成を受ける。
同事業では、あらゆる運転環境において人間の運転を完全に代替するため、高次の認知・理解・判断能力と、実世界での行動を可能にする「身体性」を持つマルチモーダル基盤モデルを開発する。マルチモーダル基盤モデルにより、テキストや映像、センサーデータを統合的に理解し、運転環境における周囲の移動体や環境の変化をリアルタイムで予測する。開発では、日本語を含む多言語対応の大規模言語モデルを基盤とし、視覚情報と自然言語の統合的理解、三次元空間の認識、物理法則に基づく環境変化の予測能力を高めるためのデータセットを構築する。