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e-fuelとはいったいどのような燃料なのか?

畑村博士が解説する基礎知識

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e-fuelとはいったいどのような燃料なのか?

カーボンニュートラル実現に向けて、既存の内燃機関に大きな改良を施すことなく使えるe-fuelが注目されている。このe-fuelは一般の燃料とは何が異なるのかを、基礎の部分から本誌アドバイザーである畑村博士にご説明いただこう。

まとめ:世良耕太(Kota SERA)
PHOTO&FIGURE:NEDO/AUDI/PORSCHE/SIEMENS/KAWASAKI HEAVY INDUSTRIES

 

地上や海底の油田から採掘される化石燃料
炭素と水素を化学反応させ生まれるe-fuel

 
「石油」は天然にできた燃える鉱物油と、鉱物油由来の製品の総称だ。太古に植物やプランクトンの死骸が堆積し、微生物によって有機物に変化。長い年月をかけて分解され、液状になったものが石油、気体状になったものが天然ガスになる。地下から採取されたままの状態が「原油」で、炭化水素を主成分に、硫黄、窒素、酸素、金属などを少量含んでいる。この原油を、沸点の違いを利用して分離させ、軽油、灯油、ガソリンの原料となるナフサなどを取り出していく。

原油の主成分である炭化水素は炭素原子(C)と水素原子(H)からなる化合物の総称だ。炭素数が少ないと常温常圧で気体(例:プロパン=C₃H₈)、炭素数が多いと液体になる(例:オクタン=C₈H₁₈)。原油の中にはいろんな種類の炭化水素が含まれており、ガソリンの場合は精製して炭素数が5から9の炭化水素を取り出す。
 
合成燃料は二酸化炭素(CO₂)と水素(H₂)を合成して製造する燃料の総称だ。厳密には、CO₂をCO(一酸化炭素)にしたうえでH₂と合成する(次のページ参照)。この合成燃料のうち、太陽光や風力など、再エネ(再生可能エネルギー)電力を使って製造した水素を用いたものをe-fuel(イー・フューエル)と呼ぶ。「e」はelectro(電気の)の頭文字をとったものだ。

原油から精製してできたガソリンとガソリンを代替する合成燃料(e-fuel)では、含まれる炭化水素の構成は基本的に変わらない。天然由来のものなのか、人工的に作ったものかの違いだけである。

著者
Motor Fan illustrated

「テクノロジーがわかると、クルマはもっと面白い」
自動車の技術を写真や図版で紹介する、世界でも稀有でユニークな誌面を展開しています。
http://motorfan-i.com/

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