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BEVの普及ペースは規制で決まる

IHSマークイットの市場見通し

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BEVの普及ペースは規制で決まる

どんなクルマを選ぶかは個人の自由であり、市場がクルマを選別し、その価値を決める。これが当たり前だったが、個人の選択肢を狭める動きがEU(欧州連合)では幅を利かせてきた。CO2(二酸化炭素)規制の将来は「BEVだけの世の中」を生むだろうか。

TEXT:牧野茂雄(Shigeo MAKINO)
FIGURE:IHS markit/ACEA/Shigeo MAKINO

動力別の生産台数予測

IHS markit(S&P Global)による2022年6月段階でのLV=Light Vehicle(小型車)の生産台数予測。世界前提で見ると、2020年に始まったCOVID-19(新型コロナウィルス感染症)蔓延がもたらした需要減から回復しつつある。しかし、世界需要の伸びは中国市場が急伸した2010年から2017年までの勢いには届きそうにない。

 

 
S&Pグローバル傘下となったIHSマークイットは世界的な調査会社である。本誌は市場や技術動向を探る際に必ず同社を取材してきた。上のグラフは最新予測、2022年6月時点での世界生産予測である。下のグラフは2020年9月時点の同じ予測。両者の間には21か月の差しかないが、中身はまるで違う。比べてみると、まずグラフ全体の形が少し変わった。

「世界生産台数が1億台に届くタイミングがやや遅れる。その要因はロシアでの生産減と経済の鈍化。これがまず1点。ウクライナ侵攻したロシアからルノーなどが生産撤退し、自動車生産が減る。欧州だけでなく世界経済も鈍化の傾向を見せている」
 

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