オンセミのトラクションインバータ用SiCパワーモジュール、現代自動車グループの高性能電気自動車に採用

オンセミ（onsemi、本社 米国アリゾナ州フェニックス）は、同社のシリコンカーバイド（SiC）パワーモジュール『EliteSiC』ファミリーが、現代自動車グループの起亜自動車が生産する『EV6 GT』モデルに採用されたことを発表した。この電気自動車（EV）は、3.4秒でゼロから60mphまで加速し最高速度は161mphに達するという。

高性能EVのトラクションインバータ内では、EliteSiCパワーモジュールがバッテリのDC 800VからリアアクスルAC駆動への高効率な電力変換を可能にする。オンセミは、現代自動車および起亜自動車（HMC/KIA）がE-GMP（Electric-Global Module Platform）をベースに開発する次期型高性能EVにもEliteSiC技術を提供していく。

高電力密度SiCパワーモジュールは、寄生容量と熱抵抗を抑えるパッケージ技術を提供し、革新的な相互接続を使用して高い信頼性を実現する。DCからACへの変換に伴う電力損失を低減しながら、トラクションインバーターのサイズと重量を削減し、性能とEV航続距離を5%向上させることができる。

同社は、車載アプリケーション用高密度パワーソリューションにおいて数十年にわたるパッケージング技術を蓄積しており、独自のパワーモジュール技術を生かしたパワートラクションソリューションを提供している。SiCのプレーナセル構造からトレンチセル構造への進化に伴うパッケージング技術を生かし、非常に堅牢で信頼性の高いソリューションの提供が可能になった。

オンセミで、エグゼクティブ・バイス・プレジデント兼パワー・ソリューションズ・グループ・ゼネラルマネージャを務めるサイモン・キートン氏（Simon Keeton）は、次のように述べている。

「HMC/KIAとの協力関係は、当社のEliteSiC技術の卓越した性能を基盤とするものです。同様に重要なのは、当社がEVの大量生産に必要な規模に対応できるよう、垂直統合されたSiCサプライチェーンを急速に拡大していることです」

詳細については、以下を参照のこと。

パワーモジュール｜オンセミ

オンセミは、自動車と産業用エンドマーケットに注力し、自動車の電動化と安全性の向上、持続可能なエネルギーグリッド、産業オートメーション、5Gおよびクラウドインフラなどのメガトレンドにおける変化を加速させている。

また、独自の製品ポートフォリオにより、インテリジェントなパワーおよびセンシングのテクノロジを創出し、安全、クリーンでスマートな世界の実現をめざす。フォーチュン500企業であり、S&P 500指数に含まれている。

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