独アウディ、スポット溶接の品質管理にAIを導入。VWグループ3拠点にも展開へ
独アウディは6月30日、ドイツのネッカーズルム拠点において、AI（人工知能）を活用した車体製造におけるスポット溶接の品質管理テストを、市販モデルの生産工程でクリアしたことを発表。今後、フォルクスワーゲングループ内で同システムを展開していく。
今回導入されるAIの開発とテストは、ネッカーズルム拠点で行われた。同拠点では、AIを活用することにより、シフトごとに300台の車両の約150万カ所のスポット溶接の状態を分析している。
これまでは、抵抗スポット溶接の品質を、生産スタッフがランダムな分析に基づいて超音波で手動で管理していて、車両1台あたり約5,000か所のスポット溶接を検査していた。
今後は、AIの採用により生産スタッフは溶接異常の早期発見に集中でき、より効率的かつ的を絞った方法で品質を管理できるようになるという。
アウディは、ドイツ品質協会（DGQ）、フラウンホーファー産業工学研究所（IAO）、フラウンホーファー生産技術・オートメーション研究所（IPA）などの専門家チームと協力して、監査および認証証明プロセスと生産に関するAIガイドラインを策定。現時点でAIアプリケーションに関して、独立機関によって発行される標準や認証が存在しないため、各所と緊密な連携を取った。
年末までに、フォルクスワーゲングループの他の3つの拠点にもAIを使用した品質管理工程を設置する予定。このために専門家チームは、各拠点における溶接設定の違いを見出し、AIモデルの再訓練を実施している。現在、準備は進められていて、アウディブリュッセルではAI活用の技術インフラが導入された。今後は、フォルクスワーゲンのエムデン拠点ではアウディ本社と同様に必要な機器を設置するなどの計画がある。
