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MHIET、水素専焼エンジン発電セットの実証試験設備を相模原工場に建設開始

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MHIET、水素専焼エンジン発電セットの実証試験設備を相模原工場に建設開始

三菱重工エンジン&ターボチャージャ(MHIET)は7月6日、水素専焼エンジン発電セットの実証試験設備を相模原工場の所内発電所エリアに建設することを発表した。6気筒500kWクラスでの実証試験を2024年度から開始し、2026年以降に製品化を目指していく。

MHIETは、レシプロガスエンジン「GS6R2~GS16R2」シリーズを改良した単気筒エンジン(ピストン径170mm×ストローク220mm)を、産業技術総合研究所(産総研)福島再生可能エネルギー研究所(福島県郡山市)に設置し、水素100%で安定燃焼できる技術を確立するなど、水素エンジンの開発と商用化に向けた取り組みを強化している。

製品化に向けた次の段階として、6気筒の500kWクラス水素専焼エンジンを開発するとともに発電セット化し、相模原工場内に水素エンジン発電セットおよび水素供給設備を建設し、2024年度の実証試験開始を目指す。

水素エンジン発電セット(試験機)
水素エンジン発電セット(試験機)

今回、本実証試験のために、水素トレーラーで搬入する高圧水素ガスを減圧して発電セットに供給する水素供給設備の建設に着手。本実証試験では、新たに設計した水素100%を燃料とする6気筒水素エンジンの燃焼安定性、性能、信頼性等の検証に加え、水素の特徴(※)を考慮し、発電装置として求められる安全性評価や性能検証を実施する。

レシプロエンジンは、低・脱炭素社会の実現に向けた燃料転換(エナジートランジション)においても、その機構上、さまざまな燃料を燃焼させることができ、中でも水素エンジンを用いた発電セットは、純水素を燃料とすることで、燃料消費によるCO2を排出することなく、分散型電源の脱炭素化に貢献する。同社は実証試験を通じて、水素利用拡大による脱炭素社会実現を目指していく。

実証設備
実証設備

※水素ガスは従来燃料の都市ガスと比較し、燃焼性が高く静電気程度のエネルギーで着火し燃焼範囲も広い特徴がある。さらに分子が小さく漏れやすい特徴もあるため、発電セットには水素ガスを漏らさないこと、漏れても検知し安全に停止させること、漏れても上方に滞留蓄積しないこと等の安全対策が求められる。

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