オンセミとVWグループ、次世代EV向けシリコンカーバイド技術に関する戦略的契約に合意
オンセミ(本社:米国アリゾナ州フェニックス)とフォルクスワーゲン(VW)は、VWの次世代プラットフォームファミリー向けの電気自動車(EV)トラクション・インバーター・ソリューションを可能にするモジュールと半導体デバイスの提供に関して、戦略的契約を締結したことを発表した。
オンセミとフォルクスワーゲン(VW)は、VWの次世代プラットフォームファミリー向けのEVトラクション・インバーター・ソリューションを可能にするモジュールと半導体デバイスの提供に関して戦略的契約を締結した。これらのデバイスはシステム全体の最適化の一部として、VWの各モデルのフロントおよびリア・トラクション・インバーターをサポートする。
オンセミはまずEliteSiC 1200 Vトラクション・インバーター・パワーモジュールを供給。このパワーモジュールはピン互換性があり、さまざまな出力レベルや多種類のモータに容易に対応できる。両社のチームは、1年以上にわたって次世代プラットフォーム向けパワーモジュールの最適化に取り組んでおり、試作サンプルの開発が行われている。
VWで業務・戦略半導体タスクフォースCOMPASSの責任者を務めるKarsten Schnake氏は、次のように述べている。
「オンセミのトラクション・インバーター・モジュールの優れた性能と品質に、最高のシステムソリューションを実現しようとする両社の努力が加わって、お客様がVWグループの車両に期待する卓越した走行体験と品質を提供することができます。オンセミのインテリジェントなパワーおよびセンシングソリューションの幅広いポートフォリオを活用して、トラクションインバーターを皮切りに、さらなる最先端技術や機能を当社のEVに導入できるようになります。そして、チェコ共和国内の工場を含め、米国、アジア、欧州に施設を展開するオンセミのバランスがとれた製造拠点網が、すべての高電圧ソリューションなどで当社の戦略的市場を完璧にサポートしてくれます」
オンセミは、19ヵ所のウェハ製造施設およびパッケージング施設から、IGBT、MOSFET、イメージセンサー、パワーマネジメント集積回路(PMIC)など、500種類以上のデバイスをVWに供給。多彩なポートフォリオに加え、シリコンカーバイド(SiC)のボリューム・ブール成長、ウェハ加工、基板、エピタキシ、デバイス製造、クラス最高の統合モジュール、ディスクリートパッケージソリューションなど、垂直統合されたサプライチェーンを提供し、VW向けにセキュアなサプライチェーンを構築している。
オンセミで、エグゼクティブ・バイス・プレジデント兼パワー・ソリューションズ・グループ・ジェネラル・マネージャを務めるサイモン・キートン(Simon Keeton)氏は、次のように述べている。
「当社の広範な製造拠点は、強力なエンドツーエンドSiCサプライチェーンと併せて、オンセミがOEM各社の求めに応じて供給保証を行うのに威力を発揮します。世界規模での生産拡大に向けた投資、特にSiCへの投資によって、急速に拡大するVWのEV生産をサポートすることができます」
EV用インバーター・ソリューションは、オンセミのEliteSiC 1200V 3xハーフブリッジモジュールで構成され、幅広い出力範囲に対応するアクスル・インバーターをサポートしていく。
オンセミ(onsemi)について
オンセミは、自動車と産業用エンドマーケットに注力し、自動車の電動化と安全性、持続可能なエネルギーグリッド、産業オートメーション、5Gおよびクラウドインフラなどのメガトレンドにおける変化を加速させている。
また、高度に差別化された製品ポートフォリオにより、インテリジェントなパワーおよびセンシングのテクノロジを創出。より安全でクリーン、スマートな世界の実現を目指している。