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日産EVの歴史を「写真」と「スペック」で比較する|1947年に誕生した電気自動車「たま」からEV「リーフ」への進化まで

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日産EVの歴史を「写真」と「スペック」で比較する|1947年に誕生した電気自動車「たま」からEV「リーフ」への進化まで

最近話題の電気自動車(EV)。1947年には、日産がすでに内燃機関を使わない「電気自動車」を市販していたことはご存じだろうか。日産は神奈川県座間市に、博物館「日産ヘリテージコレクション」を設けており、1930年代から2010年代までの自社製造車を常時300台展示している。今回は、日産自動車広報の協力のもと、進化の歴史を振り返る企画をお届けする。
第2回となる今回は、以下のモデルを写真とスペックで比較しながら紹介する。
1947年:たま電気自動車
2012年:初代 日産リーフ
1998年:プレーリージョイEV( 国立極地研究所 北極観測センター車)
1998年:ルネッサ EV
2000年:ハイパーミニ
2008年:ティーダ (EVテストカー)
2011年:キューブ (EVテストカー)
時代を彩った名車たちと、初代リーフで使用したリチウムイオン電池もあわせて紹介しよう。

TEXT&PHOTO :石原健児(Kenji Ishihara)
協力:日産自動車広報・日産ヘリテージコレクション
(車両詳細等は公式ページより)

1947年:たま電気自動車

電気自動車「たま」は終戦直後の石油不足により、余裕のある電力活用を目的に計画された。振興の自動車メーカーも加わりEVの製造に各社が鎬を削る中、「たま」は政府主催の第1回性能試験でカタログ値を上回る航続距離96km・最高速度35km/h の成績を収め、日本初のEVとして注目を浴びた。1951(昭和26)年頃まではタクシーとして使われ、 戦後復興の一翼を支えた車でもある。展示車両は2010年、量産型EV・日産リーフの発売にあわせて日産社員によって当時の仕様に復元され、日本機械学会の「機械遺産」にも登録されている。

「たま」の名は工場のあった多摩地区に由来
ロゴマークも温かみがある
フロントガラスとシングルワイパー
丸目のヘッドライト
計器類はシンプルな造り、電圧計も見える
ペダルは大きさを変えてあり、操作しやすそうだ
車両後部から下部メカニックをのぞく
タイヤが細い、5.5インチサイズのスマホと比べてもこの遠り
タクシーでも使われた車体は居住性も良さそうだ

【車両詳細】
年式 1947年
型式 E4S-47-I型
全長 3,035mm
全幅 1,230mm
全高 1,618mm
ホイールベース 2,000mm
トレッド(前/後) 1045mm/1045mm
車両重量 1,100kg
エンジン 直流直巻モーター
最高出力 定格3.3kW(4.5ps)
最大トルク ----/----
サスペンション(前/後) 縦置リーフ / 縦置リーフ
ブレーキ(前/後) ロッド式ドラム/ロッド式ドラム
タイヤ 4.00-17-4PR
一充電航続距離 65km
バッテリー鉛電池(40V/162Ah)
最高速度(経済速度)※ 35km/h(28km/h)
認定 日本機械学会機械遺産:2010年認定 日本自動車技術会:自動車技術240選

2012年:初代 日産リーフ

著者
石原健児

取材ライター。
1966年東京生まれの北海道育ち。大学卒業後、イベント関連企業、不動産業を経て印刷業へ。勤務先のM&A・倒産をきっかけに2016年からライター業を始める。医療系WEB媒体、ビジネス誌「クオリタス」などで活動。医師、弁護士、企業経営者、エンドユーザーなどを対象に取材してきた。総取材人数はだいたい1500人。就学前までに自動車や転落事故で「九死に二生」位は得ていると思う。最近好きな言葉は「生きてるだけで丸儲け」。

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