EVでマニュアル操作感を実現?トヨタがEV向け手動変速機を開発
EVでもマニュアル操作感を楽しむことができる
ELECTRIC VEHICLEと題した資料にて、トヨタがEV用のマニュアルトランスミッションを開発していることが判明した。絶滅危惧種のMTが、EVで蘇るかもしれない。
2022年2月10日、米国特許庁の資料からトヨタが電気自動車(EV)用のマニュアルトランスミッション(MT)を開発していることが明らかになった。
『ELECTRIC VEHICLE』と題した資料は、全21ページで構成されている。
2021年の夏から段階的に出願されていたこの特許は8つの申請からなり、クラッチペダルやギアシフトのシミュレーションなど、さまざまな技術が含まれている。
トヨタがEV用のMTを開発
オートマチックトランスミッション(AT)全盛の現代では、すでにMTは“絶滅危惧種”となっている。トランスミッション自体が不要とされるEVが主流となれば、存在そのものが絶滅する。
自ら操作する楽しさを味わえるMT搭載車は根強いファンが多く、現状に寂しさを感じる声も聞かれる。
しかし、トヨタがEV用のMTを開発しているというニュースが飛び込んできた。EVにMTを搭載するというのは、奇妙な話である。
内燃機関(エンジン)搭載車は、発進時や低速時に大きなトルクが必要なため、トランスミッションによる増幅でスムーズな動きを可能にしている。
一方EVは、発進時から最大レベルのトルクを発揮できるため、トランスミッションでトルクを増幅させる必要がない。
変速機を必要としないEVに何故、わざわざMTを搭載するのか。ここが大きなポイントだ。
トヨタは、現在のMTをEVに使おうとしているのではなく、MT車を操っているかのような体験がEVで可能になるような装備を開発しているのだ。
あくまでも疑似的にMTの機構を取り入れようとしているため、ゲームの中でMT車を操作している感覚に近いかもしれない。