OKIエンジニアリング、車載機器向けウィスカ評価試験サービスを拡充
OKIエンジニアリング(本社:東京都練馬区)は、電子部品のめっき表面から針状に成長する単結晶生成物「ウィスカ」の試験評価を行う車載機器向けのサービスを2月14日より拡充。ウィスカ評価試験サービス全体で年間5,000万円の売り上げを目指す。
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OKIエンジニアリング(以下、OEG)は、電子部品のめっき表面から針状に成長する単結晶生成物「ウィスカ」の試験評価を行う車載機器向けのサービスを2月14日より拡充。車載電子部品の小型化・高密度実装化に伴い、ウィスカによる短絡故障を予防する評価試験の要求が増えているという。
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ウィスカは錫(すず)や亜鉛を用いためっきやはんだ部などから、針状に成長する単結晶生成物のこと。電気を通すことから、電子部品の端子間や隣接する部品電極間にまたがる形で成長すると短絡(ショート)故障が発生する場合がある。
過去、電子部品のめっきやはんだには、ウィスカの生成を抑制する鉛入り材料が使用されていた。しかし、RoHS指令(※1)などの環境対応により鉛フリー材料への置き換えが進んだこと、および車載電子部品の小型化・高密度実装化が加速したことにより、ウィスカによる短絡故障発生への懸念が高まっている。
こうした背景から、より厳しい環境条件下でのウィスカ評価試験の実施を車載機器製造会社に要求する自動車メーカーが増えている。
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OEGは以前から、高温・高湿下における急激な温度変化といった厳しい環境におけるウィスカ発生状況を確認するウィスカ試験評価サービスを提供してきた。
今回新たに試料移動型冷熱衝撃試験装置を導入し、温度急変試験における低温/高温の双方向テストエリア間の試料移動時間を10秒以内まで可能とした。国際規格であるIEC60068-2-82(※2)や自動車メーカー規格に対応した試験を実施できる体制が整った。
また、大型走査型電子顕微鏡を導入して、直径300ミリまでの大型部品を切断することなく観察することが可能になった。試料切断に伴うウィスカの紛失や基板表面の汚染を防ぎ、より正確な評価が実施できる。
ウィスカ評価試験サービス全体で年間5,000万円の売り上げを目指すという。
販売計画
標準価格:300万円から/件
販売目標:年間5,000万円
サービス提供開始時期:2023年2月14日
※1 RoHS指令
電気・電子機器における特定有害物質の使用制限に関するEUの法律
※2 IEC60068-2-82規格
電気・電子部品のウィスカ試験方法を定めた国際規格