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トヨタ、水素による福島での工場カーボンニュートラルの取り組みを加速

公開日：2023.03.10

更新日：2023.03.10

トヨタは2021年6月以降、福島県と共同で「福島発」の水素と技術を活用した新たな未来のまちづくりを進めている。この一環として、デンソーグループと連携し、工場におけるカーボンニュートラルの実現に向けて再生可能エネルギーと水素の活用を進めている。

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トヨタは「MIRAI」のFCスタックなどを流用して、水を電気分解して水素を製造する水電解装置を新たに開発。今後の普及促進に向けた技術実装の場として、本年3月にデンソー福島工場において稼働を開始する。この水電解装置で製造したクリーンな水素を工場ガス炉で自家消費する、「水素地産地消」モデルの構築を目指すという。

さらに、こうした水素活用モデルの構築に向けた取り組み内容を広く公開し、様々な業界や地域を巻き込んで実装の輪を広げていきたいとのことだ。

トヨタはCO2排出量の削減において、水素を重要な燃料と位置づけている。乗用・商用のトラックやバスを含めた燃料電池自動車（FCEV）だけではなく、FC定置式発電機の開発などFC製品の普及で水素を「つくる／はこぶ／ためる／つかう」の各領域で様々なパートナーと取り組みを進めているという。

これまでは、FCEVやFC定置式発電機、工場での製造時などで水素を「つかう」とともに、水素運搬のためのFCトラックの開発など「はこぶ」活動を進めてきた。今回の水電解装置による水素製造に加え、タイでは家畜の糞尿から発生するバイオガスを活用した水素の製造に取り組み、「つくる」領域での選択肢も拡大したいと考えているという。

水電解装置の特徴

「MIRAI」やFCバス「SORA」に搭載しているFCスタックを流用した水電解装置は、トヨタが長年にわたり培ってきた技術や様々な使用環境の中で蓄積した知見を活かして新開発した。その特徴は、以下のとおり：

1.水を電気分解するスタック（水電解スタック）に使用するセルは、2014年12月の初代MIRAI発売以降、700万枚以上（FCEV約2万台分）の量産・使用に裏付けられた信頼性を確保。

2.FCEV用に開発し初代MIRAIから搭載しているスタックのセパレーターにチタンを採用。耐食性の高い特性を活かして、水電解装置に求められる耐久性の向上を追求。長期にわたり安心して使用できるよう、約8万時間の稼働後も初期とほぼ変わらない性能維持を目指して開発。

3.水電解スタックの生産過程において、FCEV用FCスタックの部品およびFCスタック生産設備の90％以上の流用／共用が可能。これによる量産効果で、将来的に普及可能なコストレベルを追求。さらに、長年にわたるFCEV開発で培ってきた知見を活かすことにより開発期間の大幅な短縮が可能。