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ダイハツ、神戸市で地域交通の人手不足解消に向けた自動運転の実証走行を実施

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ダイハツ、神戸市で地域交通の人手不足解消に向けた自動運転の実証走行を実施

ダイハツ(本社:大阪府池田市)は、神戸市北区の住宅地において郊外エリアのニュータウンを支えるモビリティサービスの社会実装を目指した自動運転実証走行を、2023年3月6日から24日まで実施した。本実証走行のリスク分析の試行は、日本総合研究所(本社:東京都品川区)と、あいおいニッセイ同和損害保険(本社:東京都渋谷区)が担当している。

背景

本実証走行を行う神戸市北区の筑紫が丘を中心としたニュータウンは、1969年に造成が始まり、居住開始から50年以上が経過した住宅地だ。住民の高齢化が進む一方、地域交通を担う人手不足や利用者減に伴う公共交通機関の縮小により、日々の買い物や通院等の移動が困難になっており、手軽に使える近距離移動手段の確保が喫緊の課題となっている。

ダイハツ、日本総研、あいおいニッセイ同和損保はこのような社会課題の解決を目指し、2018年度から同地区で乗合送迎サービスや地域活性化施策に加え、人手不足の解消につながる自動運転などの実証実験を行ってきた。これは、日本総研主催のコンソーシアムやラボ(まちなか自動移動サービス事業構想コンソーシアム(※1)、まちなかサービス事業性検証コンソーシアム(※2) 、RAPOCラボ(※3))活動の一環である。

実証走行について

1.全般

今年度、ダイハツは軽自動車をベースとした自動運転車両を用い、一般道において実際にユーザーの乗車を想定した自動走行技術や安全性等の確認を実施。丘陵住宅地特有の坂が多く道幅が狭い道路環境下における自動運転実証走行は前例が少ない。そこで、ダイハツの得意とする軽自動車やコンパクトカーを使用して技術やノウハウの蓄積を図る目的だ。

また、地域コミュニティ向けのモビリティサービスの在り方について検討してきた日本総研の知見を活かし、小規模の利用者数でも成り立つ安価な車両予約の仕組みを活用したオンデマンド配車を試行する。同地区で活動するNPO法人スタッフが試乗・体験することで、地域に密着したサービス性についても同時に検証。技術およびサービス両面での実証走行を進めることにより、安全で自由な移動の実現に向けた社会実装を目指す。

RAPOCラボでの活動を踏まえ、日本総研とあいおいニッセイ同和損保は「自動運転サービス実装プロセス」のうちの「リスク分析」を試行する。日本総研は自動走行ルート上で起こりうる事故リスクの可視化を行い、あいおいニッセイ同和損保は走行ルートのリスク評価ツール(※4)による走行経路のリスク評価、およびダイハツの自動運転車両を用いた場合のリスク評価の妥当性検証を行うという。

2.実施内容

(1)実施場所

兵庫県神戸市北区筑紫が丘

(2)期間・時間

2023年3月6日(月)~3月24日(金) (火土日・20日を除く)
10:00~16:00 但し、天候等により実施しない場合あり

(3)車両:ダイハツ タント

(4)走行ルート

※1:まちなか自動移動サービス事業構想コンソーシアム
住宅地をはじめとした限定地域内において、自動運転技術を活用して高齢者などの近隣移動をサポートするサービスの事業構想を策定することを目的に企業や自治会、交通事業者などと共にサービスの社会実装に必要な車両のほか、システムの仕様や事業仮説を検討

※2:まちなかサービス事業性検証コンソ―シアム
ラストマイル移動サービスと既存公共交通の連携のほか、移動以外の多様なサービスの提供によって地域のスマート化を図る「ローカルMaaS」の社会実装を目指し、企業や自治会、交通事業者などと共にサービスの事業性を検証

※3:RAPOCラボ
2020年から実施している日本総研主催の研究会。自動運転移動サービスの早期実装と全国普及への貢献を目的に、地方自治体と民間事業者が共同で一般道路等管理と自動運転移動サービスを包括的に運営する官民連携事業モデルを検討し「自動運転サービス実装プロセス」の策定に取り組む

※4:走行ルートのリスク評価ツール
あいおいニッセイ同和損保が、これまでに蓄積した自動運転車の走行データを基に開発したもので、交差点や交通量などの走行環境要因から走行ルートのリスクを評価するツール

PICK UP