レクサス、バッテリーEV「UX300e」を一部改良

UXは、2018年にLEXUSラインアップに加わった都会派コンパクトクロスオーバーだ。UX300eは、電動化ビジョン「Lexus Electrified」の第1弾として2020年に誕生したブランド初のBEVモデル。取り回しに優れたボディサイズに加え、BEVならではの静粛性がユーザーから評価されているという。UXシリーズは、2023年2月末時点で世界の80以上の国と地域で累計28万台が販売され、電動化率は約80％を達成した。

今回の一部改良では、新しく開発した電池パックの導入により容量を54.4kWhから72.8kWhに増強。航続距離を512km（※1）（従来型比約40％）まで伸ばすなど、BEVとしての基本性能を進化させた。UXシリーズ全体では、予防安全技術の機能拡充や最新のマルチメディアシステムを採用した先進装備の進化にも取り組んだという。

また、リヤに標準装備の「パフォーマンスダンパー」（※2）に加え、ボディのスポット溶接打点を20点追加することでボディ剛性を強化。電池パックの床下配置による低重心パッケージの基本性能の高さを更に引き上げるべく、EPSやアブソーバーの最適化も図り、走りの味も進化させたとしている。

先進装備では、より安全に運転を楽しむために予防安全技術「Lexus Safety System +」の機能を拡充。また、大型化／高解像度化したタッチディスプレイを搭載した最新のマルチメディアシステムを採用するとともに、インストルメントパネル及びコンソール周辺の形状やスイッチレイアウトを最適化している。

UX300eの主な特長

ユーザーのライフスタイルに寄り添ったBEVの進化

UX300eは、電池パックの床下配置による低重心化により、前後重量配分や慣性モーメントなど操縦性に有利なBEVならではのパッケージを有している。リヤへ「パフォーマンスダンパー」（※3）を採用することで走りの上質さに磨きをかけ、クルマとドライバーの一体感をさらに際立たせた。

電池パックに遮音壁としての機能を持たせたほか、エンジンやトランスミッションなど駆動系の音が少ないゆえに聞こえてしまう風キリ音や小石・砂などの巻き上げ音にも配慮。室内空間の静粛性を実現している。

UX300e 主要諸元

航続距離：512km（※4）
電費：141Wh/km（※4）
電池容量：72.8kWh
急速充電規格：CHAdeMO
最高出力（kW［PS］）：150［203］
最大トルク（N･m［kgf･m］）：300［30.5］

クルマから家へ電気を供給するV2H（Vehicle to Home）に対応。V2Hとは、クルマへの充電に加え、クルマに蓄えた電気を自宅へ供給できる仕組みで、UX300eに「V2H機器」をつなげることで充電と給電が可能になる。電力供給時間は約2.5日（※5）（満充電／消費電力400W時）。

クルマの体幹を鍛えた、上質ですっきりと奥深い走りの味の深化

＜ボディ剛性の向上＞

サイドドア及び、バックドア周辺のボディ開口部のスポット溶接打点を計20点追加し、ボディ剛性を向上。そのうえで、すっきりと奥深い走りの味を熟成すべく、Toyota Technical Center Shimoyamaでの走り込みを通じて、EPSやアブソーバー、ブレーキなどのチューニングを繰り返した。

あらゆる走行シーンで減速・操舵・加速がシームレスに繋がる気持ち良さなど、ドライバーの意図に忠実でリニアな応答を追求した。

予防安全技術の機能拡充と最新のマルチメディアシステムなどの先進装備の進化

Lexus Safety System +の機能拡充と、使い勝手を拡張する先進装備

交通事故死傷者ゼロの実現に向けて、新型UXでは予防安全技術Lexus Safety System +の機能を拡充。事故の防止や交通事故死傷者のさらなる低減と、ドライバーの負担軽減を目指している。

また、ユーザーの使い勝手をよりよくする先進装備として、スマートフォンによりドアロック／アンロックやEVシステム始動などの操作ができるデジタルキーや、車両下方の路面状況やタイヤ位置の把握を補助するパノラミックビューモニター床下透過表示機能を追加した。

＜Lexus Safety System +＞

単眼カメラとミリ波レーダーの性能向上により、昼間の自転車運転者や夜間の歩行者も検知可能な「プリクラッシュセーフティ」対応領域を拡大した。交差点右折前に前方から来る対向直進車や、右左折時に前方から来る横断歩行者も検知が可能になった。

ドライバーの操舵をきっかけに、車線内で操舵をアシストする緊急時操舵支援も追加した。また同一車線内中央を走行できるよう操舵を支援する高度運転支援機能「レーントレーシングアシスト（LTA＊6）」の車線認識にAI技術を活用することで支援範囲を拡大し、よりスムーズで途切れにくい操舵支援を実現。

自動車専用道路などにおいて、設定した車速内で前走車との距離を一定になるよう加減速制御する「レーダークルーズコントロール（全車速追従機能付）」に、カーブの大きさに合わせてあらかじめ減速するカーブ速度抑制機能を追加した。

ドライバー異常時対応システムを追加。LTA（※5）制御中にドライバーの無操作状態が継続した場合、音および表示と緩減速による警告でドライバーに操作を促す。同時にハザードとホーンで車外に異常を報知しながら自車線内に減速停車し、自損・加害事故の回避・事故被害低減を支援する。停車後はドア解錠やヘルプネット自動接続による救命要請も行い、早期のドライバー救命・救護に寄与する。

＜デジタルキー＞

デジタルキー専用のスマートフォンアプリをインストールすることで、この機能を有する車両に対してスマートフォンをデジタルキーとして使用することが可能に。スマートフォン画面からの操作によってドアのロック／アンロックが可能になることに加え、アプリを起動したスマートフォンを携帯した状態でパワースイッチを押すことでEVシステムを始動できる。

所有するデジタルキーに対応した車が複数ある場合でも1台のスマートフォンだけで操作可能。また、スマートフォン間でデジタルキーの受け渡しが可能なため、家族や友人間で離れた場所での車両の貸し借りも容易に行える。

＜パノラミックビューモニター＞

車両の前後左右に搭載したカメラ映像を合成してセンターディスプレイに表示するパノラミックビューモニターにおいて、過去に撮影した路面の映像を車両直下に合成表示する。これにより、車両下方の路面状況やタイヤ位置の把握を補助する床下透過表示機能を追加した。

最新のマルチメディアシステムと、コックピットの使い勝手の向上

ユーザーの利便性の向上のため、マルチメディアシステム、コネクティッドサービスを刷新。大型化／高解像度化した12.3インチタッチディスプレイを採用するとともに、直感的な使いやすさを追求した最新のマルチメディアシステムを搭載した。

また、コネクティッドサービスや「マイセッティング」などG-Link（※7）機能を大幅に拡充することにより、ユーザーの日常使いに即したサービスを提供。さらに、OTA（※8）ソフトウェアアップデートによるマルチメディアシステムの更新や充電ステーションの表示（※9）により、ユーザーのライフスタイルに常に寄り添う。

ディスプレイのタッチスクリーン化に伴い、インパネ及びコンソール周辺の形状やスイッチレイアウトを最適化し、充電用USBコネクタ（Type-C）をコンソール前方に2個新たに設定するなど、使い勝手を向上させた。

＜コックピットの使い勝手の向上＞

大型化／高解像度化した12.3インチタッチディスプレイは、画面をよりドライバー側へ搭載することで、運転姿勢を崩さずにタッチ操作できる。

またタッチスクリーン化に伴い、インパネ及びコンソール周辺の形状やスイッチレイアウトを最適化。インパネ中央に搭載していたシートヒータースイッチ等をコンソール上部に配置し、それによって生まれたスペースに充電用USBコネクタ（Type-C）を2個新たに設定。おくだけ充電のスペースも上下方向に拡張し、上部にLED照明も追加することで使い勝手を向上した。

＜マルチメディアシステムとコネクティッドサービス＞

直感的な使いやすさを追求した最新のマルチメディアシステムを搭載。ナビや音楽、車両設定などの各種メニューの選択スイッチを運転席側に常時アイコンで表示することで優れたアクセス性を実現した。画面全体のレイアウトも最適化し、操作フローを統一し使いやすさを向上させた。

クラウド上の地図情報を活用し、交通情報や駐車場の空き情報をリアルタイムで取得するコネクティッドナビを採用。さらに、従来の車載ナビとコネクティッドナビを組み合わせたハイブリッド型のナビゲーションを採用している。

最新の音声認識機能は、ステアリングのスイッチ操作による起動に加え、ディスプレイのマイクアイコン操作や音声による起動を可能とした。あらかじめ設定された起動ワード（例 ： Hey Lexus!など）を発話することで、スイッチ操作や再生中の音楽を停止することなく、音声認識機能の起動が可能になった。さらにクルマと会話するような自然な発話での操作にも対応している。

iPhone（※10）やAndroid（※11）デバイスの専用機能を車載機ディスプレイで使用する、Apple CarPlay（※10）、Android Auto（※11）を設定。Apple CarPlayは従来のUSB接続に加え、Wi-Fi（※12）による無線接続（※13）にも対応。

DCM（Data Communication Module）を活用したインターネット接続により、Webサイト（ニュースやブログ、ストリーミング音楽、YouTube（※11）動画など）を閲覧することができるWebブラウザー機能を設定。

「マイセッティング機能」では、Bluetooth（※14）機器（スマートフォンなど）に紐づけてナビやオーディオなどのマルチメディアシステムの個人設定を車両に登録できる。G-Link（※17）の契約中は、マルチメディア設定がデータセンターに格納され、別の車両でも利用することが可能だ。

「My LEXUS」により、スマートフォンでクルマの電池残量と航続距離の確認ができる。乗車前にエアコンを作動させる、リモートエアコンなども利用できる。「マイカー始動ロック」では、「My LEXUS」からの操作により任意の期間においてクルマのEVシステムが始動しないようロックすることが可能。夜間や長期の旅行・出張等の際に利用することで、クルマを使わない時間のセキュリティを高められる。

DCMによる無線通信でソフトウェアの更新が可能となるOTA（※18）ソフトウェアアップデート機能を採用。マルチメディアの表示内容や操作性の改善に加え、新機能の追加や性能向上などを行う。

UX300e メーカー希望小売価格

UX300e：“version C”
駆動：2WD（FF）
価格（税込）：6,300,000円

UX300e：“version L”
駆動：2WD（FF）
価格（税込）：6,850,000円

※北海道地区のみ価格が異なる。また、リサイクル料金は含まれない。

※1：WLTCモード（国土交通省審査値）
※2：「パフォーマンスダンパー」はヤマハ発動機の登録商標
※3：「パフォーマンスダンパー」はヤマハ発動機の登録商標
※4：WLTCモード（国土交通省審査値）
※5：一般家庭が日常使用する電気量1日当たり10kWh（平均消費電力400W）として、電力変換効率＝80％、満充電から駆動用電池充電警告灯が点灯するまでに使用できる電池容量＝44kWh、補機消費電力＝160Wとして試算。ユーザーの電力使用状況や、外気温などの条件により電力供給時間が異なる可能性がある
※6：LTA Lane Tracing Assist
※7：「G-link」は東京ガスの商標。使用許諾を受けて使用している
※8：OTA Over The Air
※9：種類、定休日、営業時間、価格などの確認や、航続可能距離が一定値以下でのリスト表示ですぐに目的地設定が可能
※10：Apple、Apple CarPlay、iPhoneはApple Inc.の商標
iPhone商標は、アイホンのライセンスに基づき使用されている
※11：Android、Android Auto、YouTubeは、Google LLCの商標
※12：「Wi-Fi」は、Wi-Fi Allianceの登録商標
※13：Wi-Fi接続はApple CarPlayのみ対応
※14：Bluetoothは、Bluetooth SIG, Inc.の登録商標