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NTNの高効率固定式等速ジョイントが「2022年度日本トライボロジー学会 技術賞」を受賞

~独自のスフェリカル・クロスグルーブ構造を採用~

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NTNの高効率固定式等速ジョイントが「2022年度日本トライボロジー学会 技術賞」を受賞

NTNは、同社が開発した高効率固定式等速ジョイント「CFJ」が、日本トライボロジー学会の「2022年度日本トライボロジー学会 技術賞」を受賞したことを発表した。

等速ジョイント(CVJ)は、エンジンやモータなどの回転と動力(トルク)をタイヤに伝えるドライブシャフトの構成部品。タイヤ側に使用される固定式CVJは、タイヤの角度変更に対応しながら回転とトルクを伝達する役割を担う。従来の固定式CVJでは、トルク伝達時に内部部品にかかる力が一方向に片寄ることでトルク損失が大きくなる。作動角が大きいほど、損失が増加するという課題があった。

高効率固定式等速ジョイント「CFJ」
高効率固定式等速ジョイント「CFJ」

今回受賞したCFJは、独自の「スフェリカル・クロスグルーブ構造」の採用によりトルク伝達時に発生する内部力を相殺し、従来品比でトルク損失率を50%以上低減した。高作動角時においても、トルク損失率の増加を大幅に抑えることが可能だという。

従来品からCFJに置き換えた際の燃費改善効果を、JAPIA LCI算出ガイドライン(※1)に基づき内燃機関車両で試算した場合(※2)、燃費は0.62%の改善、CO2排出量は0.96g/kmの削減が見込まれる。また、CFJを適用することで回生ブレーキシステムの発電効率の向上にもつながり、同システムを搭載するEVやHEVにおいても大きな燃費・電費改善効果が見込まれるとしている。

※1:日本自動車部品工業会が定める自動車の製造、使用段階における効率的なライフサイクル環境負荷量の算出方法
※2 :車重1467kg・燃費17.6km/Lの車両を仮定し、国際的な燃費試験方法であるWLTPの計測条件で走行させた場合(CVJ取付け角度:9度)

「スフェリカル・クロスグルーブ構造」について

従来品と「CFJ」の構造比較
従来品と「CFJ」の構造比較

固定式CVJは外輪、内輪、ケージ、複数個のボールで構成される。エンジンやモータなどから入力されたトルクが内輪に伝わり、内輪から押し出されたボールが外輪を押すことで、トルクがタイヤに出力される。従来品は外輪、ボール、内輪間の接触によるトルク損失に加えて、すべてのボールがケージを一方向に押し出すことで、ケージと外輪・内輪が接触し、トルク損失が発生していた。

CFJに採用したスフェリカル・クロスグルーブ構造は、転動溝を外輪と内輪で互いに交差させるとともに、隣り合う転動溝を交互に傾斜させている。この構造により、ボールがケージを押す力の向きを交互に振り分けることで相殺し、外輪・内輪とケージの接触を抑える。その結果、従来品比で50%以上のトルク損失率の低減を実現した。

受賞概要

受賞名

「2022年度日本トライボロジー学会 技術賞」

受賞者名

自動車事業本部 CVJ製品ユニット CVJ開発部
船橋 雅司、﨑原 立己、藤尾 輝明

受賞技術名

高効率固定式等速ジョイント「CFJ」

日本トライボロジー学会

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