バス用子ども置き去り検知システム「LiDAS」が国交省ガイドラインの適合認定を取得

三洋貿易(本社:東京千代田区)は、バス用子ども置き去り検知システム「LiDAS(ライダス)」が、国土交通省が策定した「送迎用バスの置き去り防止を支援する安全装置のガイドライン(※1)」の適合認定を2023年5月16日に取得したことを発表した。
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LiDASは、米国で2020年よりスクールバスへ搭載されている自動検知式のバス用子ども置き去り検知システム。国内の仕様に適合するように2023年2月から実証実験を行い、今回の認定取得に至った。これにより、LiDASはこども家庭庁が公表する送迎用バスの置き去り防止を支援する安全装置のリスト(※2)に掲載され、安全装置補助金の対象製品となる。
ミリ波レーダーの使用によって、眠っている新生児の呼吸によるわずかな胸の動きを検知できる高い精度と、毛布やシートの下に隠れた子どもを検知できる透過性、誤検知の少なさを特徴としている。バスのエンジン停止後に自動でシステムが作動するため、ヒューマンエラーによる見落としを防ぎ、導入施設の人的負荷を低減する。
スクールバスの置き去り防止システムとしては、米国インディアナ州が2015年度から押しボタンによる降車時確認式置き去り防止装置の搭載を義務化している。しかし、搭載義務化後も「バス内を歩かなかった」「バス内を歩いたが車内の確認をしなかった」等の人的ミスによる置き去りが発生し続けている(図1)。

車内置き去り事故の防止には人による確認が重要だが、ミスが許されない子どもの命が関わる現場では、人による見落としを補完できる自動検知式システムが果たす役割は大きい。
※1:国土交通省 送迎用バスの置き去り防止を支援する安全装置のガイドライン
※2:こども家庭庁 送迎用バスの置き去り防止を支援する安全装置のリスト
LiDASについて
車内の乗員検知センサーメーカーのIEEが開発した、世界初のミリ波レーダーによるバス用子ども置き去り検知システム。既存車両への後付けが可能で、2020年より米国でスクールバスへの搭載が開始され、2021年に米国FCC認証を取得している。
バスのエンジンが停止した後、自動で車内スキャンを開始。車内に取り残された乗員を検知すると、車両ホーンの警報音とSMS通知で運転手や運行責任者へ異常を知らせる。アラートは車内の確認ボタンが押されるまで継続的に発信され、確認ボタンが押された後も自動で再スキャンを行う。人的ミスの発生を防ぐよう設計されている。
システム概要
<センサー>
サイズ:75×45×19mm、質量:45g、周波数:24GHz帯
<ドライバーインターフェース>
サイズ:178×168×60mm、質量:530g
<置き去り検知時確認ボタン>
サイズ:60×88×90mm、質量:100g

