テスラの選択。脱レアアースで生産国・供給国に与える影響は？

レアアースを使用しない永久磁石式モーターを採用

テスラが発表した次世代パワートレイン「イー・アクスル」は、モーター・インバーター・減速機が一体化した駆動装置だ。テスラが現在採用しているEV用モーターは、レアアースを10g〜500g使用しており、それが将来的にレアアースの使用量0gになるという発表がされた。

レアアースを使わない永久磁石式モーターの誕生により、パワートレインにかかるコストは1,000ドル以下になる見込みだ。さらにインバーターに搭載される炭化ケイ素（SiC）パワー半導体に関しては、75％減を実現する。

テスラは「最高の磁石を採用する」と発言しながらも、高性能なレアアースから脱却し、性能がはるかに劣るフェライト磁石などに置き換えることを疑問に思う人も多いだろう。しかし、昨今における電気自動車の生産規模の拡大により、かつては非効率だった技術を再び採用する動きがみられているのだ。

レアアースから脱却すべき理由

テスラをはじめ、自動車メーカーがレアアース依存から脱却すべき理由は、大きく分けて3つある。