【海外技術情報】バジャージ・オート:世界初のCNGエンジンを搭載したモーターサイクルを市販
世界最大の二輪車生産国インドの有力メーカーであるバジャージ・オートが、世界初となるCNGエンジンを搭載したモーターサイクルを市販すると、インドメディアが報じた。
バジャージ・オートはバジャージ財閥の中核をなす二輪車メーカー
「世界初となるCNGエンジン搭載モーターサイクルを市販する」と報じられたのは、インドの大手に二輪車メーカーであるバジャージ・オート。ジャムナル・バジャージ氏が1926年に設立したバジャージ財閥の中核をなす企業であり、二輪車メーカーとしては世界第二位、三輪自動車メーカーとしては世界第一位の生産台数を誇る。
「インドのメーカーですか……」と軽んじてはいけない。バジャージ・オートは1960年代からピアジオ社のスクーター「ベスパ」のライセンス生産をしており、そのつながりか三輪自動車製造で成功した。一方でバジャージは、今やヨーロッパに本拠地を置くメーカーとして唯一の総合二輪車メーカーへと成長したオーストリアのKTMの間接株主である。
また、2020年にはイギリス・トライアンフ社と長期的パートナーシップの締結を発表。その成果として、日本でも発売が開始されて人気を博している400ccモデルの生産を担っている。
バジャージ・オートが生産するCNGエンジン搭載二輪車は燃料価格上昇対策
そんなバジャージ・オートが「世界初となるCNGエンジンを搭載したモーターサイクルを市販する」と報じたのはインドの現地メディア「THE TIMES OF INDIA」。
当地には三輪・四輪のCNG車が多数走っていることはご存知の方が多いはず。CNGとはCompressed Natural Gasの頭文字であり、圧縮天然ガスのこと。CNG車の利点は過去に問題となったSOX・NOX対策が容易である点だ。このため2000年代以降、三輪自動車のほかバスなどもCNG車が一挙に増えた。
今回報じられたのは、二輪車=モーターサイクルだ。「THE TIMES OF INDIA」によると、2024年6月18日にCNGオートバイを発売する。
バジャージ・オートのマネージング・ディレクターであるラジブ・バジャージ氏がバジャージ・オートのニューモデル「パルサーNS400Z」発表イベントにおいて、CNGエンジン搭載二輪車の導入を認めた。燃料価格が上昇するなかで、コストを重視する顧客に応えることを目指している。
エンジン仕様や性能などの詳細は明らかにされていないが、過去数カ月にわたり行われたテストの様子が目撃されており、それによるとエントリーセグメントがターゲットであるという。