開く
NEWS

NOKとENEOS、新ゴム材料「自己潤滑ゴム」を共同開発。最大40%摩擦低減

公開日:
更新日:
NOKとENEOS、新ゴム材料「自己潤滑ゴム」を共同開発。最大40%摩擦低減

NOKは5月9日、ENEOSと共同で従来比最大40%摩擦低減を実現した新ゴム材料「自己潤滑ゴム」を開発したと発表した。

環境負荷低減や電動化に伴い、使用される潤滑油の量は抑えられるようになり、潤滑油自体も低粘度化する傾向がある。モーターなどの高周速化も相まって、貧潤滑環境が助長され、シール部品が使用される環境は今後さらに厳しい環境になることが想定されている。

このような社会環境の中、2019年より「シール製品の潤滑性向上による低摩擦化」をテーマに、両社初となる共同研究をスタート。約5年をかけて共同開発に取り組み、オイルシールなどのシール製品の摩擦を従来比最大約40%低減し、貧潤滑環境下でもこれまでと変わらない密封性を保つゴム材料を開発した。

今回開発した自己潤滑ゴムは、ゴムの配合を工夫することで、分子スケールで界面を制御し、少ない潤滑油を効率よく活用できる。自己潤滑ゴムで試作したオイルシールは、これまでのNOKの低摩擦オイルシールよりも平均して約30~40%摩擦を低く抑えられ、密封機能においては差がないことが実験で実証できた。

油を効率よく活用し、摩擦を平均約30~40%下げる効果が得られた
油を効率よく活用し、摩擦を平均約30~40%下げる効果が得られた

自己潤滑ゴムを用いた製品は、低粘度の潤滑油や極端に油の少ない潤滑が難しい環境下においても、しゅう動発熱が低いことや、摩耗しにくいこと、劣化しにくいことなどが期待できるという。今後、自己潤滑ゴムを用いた低摩擦シール製品を製品化し、電気自動車(EV)のモーターやeアクスルなどに搭載されることで、EVの電費向上に貢献していく考え。

同製品は、今月22日からパシフィコ横浜(神奈川県横浜市西区みなとみらい)で開催される「人とくるまのテクノロジー展 2024 YOKOHAMA」で展示される。

人とくるまのテクノロジー展 2024 YOKOHAMA
・開催日:2024年5月22日(水)~5月24日(金)
・開催時間:22日(水)・23日(木) 10:00~18:00/24日(金)9:00~16:00
・開催場所:パシフィコ横浜(神奈川県横浜市西区みなとみらい1-1-1)展示ホール(ブースNo.386)
・主催:自動車技術会

PICK UP