名古屋高速道路公社が、IHIの逆走・誤進入検知警告システムを採用。三次元レーザレーダ(3DLR)にて逆走車両を検出し注意喚起を行なう
IHIは、名古屋高速道路公社との共同研究で同社の三次元レーザレーダ※1 を用いた逆走・誤進入検知警告システム(以下、本システム)の実証実験を行い、今回、社会実装されることになったことを発表した。5月15日から、名古屋高速道路2号東山線高針出入口で運用が開始された。
本システムは、高速道路出口を逆走する車両や、歩行者や自転車、原付等(125cc以下の自動二輪車)が通行を認められていない高速道路に誤って進入してしまうケースに対して、検知、警告することを目的としたシステムである。
本システムでは、路側に設置された三次元レーザレーダ(3DLR)にて逆走車両を検出し、既設情報板による注意喚起が行われる。また、上述の誤進入物体を検出※2 し、歩行者や自転車に進入不可であることを表示板や回転灯、LEDプロジェクタによる路面へのピクトグラム投影で警告する。さらに、注意喚起や警告と同時に交通管制室に対して通知を行うことで、スムーズな対応の支援を行うことが可能となる。
高速道路における逆走車両や誤進入を防ぐために、従来から看板などによる注意喚起は実施されているが、看板の見落としや、日本語が読めない外国人に伝わらないなどの理由により、進入禁止であることが認識されないケースが生じており、より確実な誤進入対策が求められている。このために、IHIは、名古屋高速道路公社と2022年から2年間にわたり、本システムの共同研究を行っている。
※1 三次元レーザレーダ:
一定の空間をスキャンしながらレーザ光を照射することで連続的に対象物との距離を計測し、物体の高さやサイズ、移動速度などを検出するシステム。検出した物体データを解析することにより、車両や歩行者、進行方向などを識別し、逆走や禁止領域への侵入などを検知することが可能。また、カメラなどの他センサと比較して夜間や雨天時などの悪天候でも物体を検知できるという特長を持つ。
※2 誤進入物体のうち125cc以下の自動二輪車は、物体のサイズから125cc以下であると推定されている。