自動車だけじゃない?次世代エネルギー「水素」の可能性。電動アシスト自転車も燃料電池の時代なのか - 東海技研|BICYCLE-E·MOBILITY CITY EXPO 2024
一般的に「燃料電池」と言えば、自動車のカーボンニュートラル燃料のイメージが強い。水素を用いた車種は、トヨタのMIRAI(ミライ)をはじめ、いくつか存在しているが、水素価格の高騰などにより、お世辞にも燃料電池車が普及しているとは言い難い。そんな中、東海技研株式会社(以下 東海技研)は水素・燃料電池を搭載した電動アシスト自転車を展示。「なぜ今、水素なのか」「危険性やコストの問題はどうなのか」気になるポイントを日邦プレシジョン株式会社 専務執行役員の佐藤 幸徳氏に聞いた。
TEXT:久保田 幹也(Mikiya Kubota)
PHOTO:村上 弥生(Yayoi Murakami)
SDGsと安全性の両立を目指す、新しい電動アシスト自転車
「水素・燃料電池電動アシスト自転車は、もともと経済産業省(以下 経産省)の支援で2019年より開発を始めました。現在は経産省の支援がなくなったものの企業として開発を続け、公道走行による実証実験を行っています。」(佐藤氏)
現在、道の駅富士川(山梨県南巨摩郡富士川町)と甲府市役所(山梨県甲府市)に、試験的に設置されている。佐藤氏は実証実験と述べていたが、背景は次の通りだ。
「水素・燃料電池電動アシスト自転車は、200気圧の高圧水素を使用しています。水素は通常、法律により消化器の搭載や6m以内の火気厳禁が義務付けられていますが、大臣特例によってこれらの義務が免除されています。現在おこなっている実証実験は、高圧水素の安全性を確認するためのもので、データがそろえば実用化もできるのではないかとの期待が寄せられています。」(佐藤氏)
実証実験の内容は、使用中に水素濃度が4%を上回っていないかの数値や、水素漏れの有無を確認するものだという。開発の背景にはSDGsが深く関係しているというが、実用化させるためには、まず法的な問題や安全性を担保出来なければならない。裏を返せば、実証実験の結果次第で普及するか否かが決まるのである。