久々のハンドリング絶賛モード「これはいいクルマ。いいクルマ」:プジョー・408[福野礼一郎『クルマ論評9』]
福野礼一郎さんの単行本『クルマ論評9』をよりお楽しみいただくために、試乗当日の写真を掲載しました。誌面で綴られている雰囲気が伝わりやすくなるでしょうか。単行本をお求めの方にもリンクを用意しておりますので、ぜひお手にとってご覧ください。
プジョー・408[Peugeot 408]
試乗日:2024年7月23日
[GT HYBRID]
個体 VIN:VR3F3DGYTPY530808
車検証記載車重:1740kg(前軸 980kg/後軸 760kg)
試乗車装着タイヤ:ミシュランe・PRIMACY 205/55-19
(単行本より)
福野 設計基盤は2021年にC5、DS4、308で登場した EMP2プラットフォーム第3世代の「V3」です。全長4700mm×全幅1850mm×全高1500mm、ホイルベース2790mmのDセグメントのクロスオーバー車。フロントサスはストラット、L字のロワアームはアルミ鍛造。いつもの通りリヤ側がバーチカルブッシュです。フロントのサブフレームとストラットタワーはともに鋼板プレス。リヤサスはTBA。生産はスイス国境までわずか25kmというフランス東端にあるミュルーズ工場、神龍汽車との合弁の成都工場、ステランティス・マレーシアのグルン工場の3ヶ所です。えーと、あと萬澤さん、キリンの件。
萬澤 そうでしたそうでした。さきほどステランティスの広報の方にリモコンキーを貸していただいて、いつものように車体一周の傷チェックをしたんですが、ボンネットにうねうねとうねる総延長2mくらいのものすごい擦り傷がついてまして。「なんですかこれ!」「ああこれ、キリンにつけられちゃったんですよ」「きりん!?」「はい撮影で動物園もっていったときに」「どこかの媒体さんですか」「いえ、うちの撮影です」。
福野 2K塗装のクリヤをかなりえぐってるんですが、メタリックまではぎりぎりいってるかいってないかくらいだし、パネルの凹みもないから、脚でやったんじゃないでしょうね。顔を擦り付けたら髭で傷がついたって感じでしょうか。しかしキリンさんがつけてくれた傷なんて、ちょっともったいなくて直せないよなあ。そのまんまにしてある気持ちもわからんではない。自分なら直さないかも。
福野礼一郎のクルマ論評9
大好評のMFi連載「福野礼一郎のニューカー二番搾り」を加筆修正し一冊にまとめた単行本「クルマ論評」を2024年も刊行します。今回のテーマ車は日本4/ドイツ4/フランス1/イタリア1/スウェーデン1。軽自動車からスーパーカーまで、いつもの道でいつもの乗り方でじっくり確かめた結果たるや果たしていかに。
VWでRR! でもなんか微妙に終わってる――フォルクスワーゲン・ID.4
誰にも会いたくないときは旧友を呼んでみる――日産・GT-R
乗り心地/乗り味は下手な乗用車よりいい――ホンダ・N-BOX
燃費とハンドリングで差。スズキの未来は明るい――スズキ・スペーシア
BEVで褒められるのは常にモーターだけだ――BMW・X1
ICEとEVのいいとこ取りの代償は2.3tである――メルセデス・ベンツ・Eクラス
高速安定性と操舵感は出色(→RRのBEV)――ボルボ・EX30
購入に賛成してくれた後席の家族がかわいそう――ミニ・カントリーマン
ベンツ/ビーエム1000万クラスを超える快適性+巡航性――ホンダ・アコード
久々のハンドリング絶賛モード「これはいいクルマ。いいクルマ」――プジョー・408
見た目に惚れて憧れても大きく裏切られることはない――マセラティ・MC20
福野礼一郎選定 項目別ベストワースト2024
・ 2024年、期待を上回る出来だったクルマもしくはアイテム
・ 2024年、期待を下回る出来だったクルマもしくはアイテム
・ 2024年、買ってはいけない輸入車
・ 2024年クラス別ベスト車
・ 2024年部門別ベスト
・ ~2024年おおいなる期待はずれと最低のできばえ
・ クルマの格言と選びの鉄則
(青字については行数厳しい場合使わずとも結構です)
福野礼一郎&第一線エンジニアによる現代の視点[ホンダ・NSX]