TECHNOLOGY
BMW流マルチパスウェイ:日本でFCEV実証実験を開始


太陽光、風力、水力を利用して発電した電気は、都市部での配送ではBEVにそのまま使うのが効率的だが、同じ都市部でも通勤に使う場合はFCEVのほうが効率的だというのがBMWの考え。

BEVとFCEVは対立する関係にあるのではなく、相互に補完する関係にあるとの考え。都市部の配送に使う小型商用車はBEV、長距離を移動する大型トラックはFCEVが適している。

充電ステーションと充填ステーションの設置に費やすコストのグラフ。青が充填ステーションを示しており、ある台数を境に充電ステーションとのコストが逆転することを示している。ドイツはヨーロッパの中では充填ステーション設置の先進国。安全面を尊重しているのは日本と変わらないが、セルフ充填化が進む。

水素ステーションの整備が比較的進んでいることが、実証実験の場として日本を選んだ理由のひとつ。グローバルでは、2021年から22年にかけて55%増加。欧州ではドイツが図抜けている。

再生可能エネルギーの生産量は変動する。ピーク時に抑制される再生可能エネルギーを水素の製造に使用することで無駄にせずに済む。これにより利用可能なエネルギー量が10%増えると試算。

Well to Wheelの効率を比較した場合、Tank to Wheelの損失が大きいFCEVよりBEVのほうが効率は高い。しかし、太陽光発電の収量が多い地域での電気は、水素に変換して使う意味が出てくる。

フロントコンパートメント内、化粧カバーの下に燃料電池システムを搭載。タンクから供給される気体水素と空気中の酸素が化学反応を起こすことで発電。ふたつの元素を燃料電池の膜に安定的に供給することが重要。

70MPaの高圧水素タンク(2本)やリヤに搭載するモーター、ブースターの役割と回生エネルギーを貯蔵する役割を担うパワーバッテリー(リチウムイオンバッテリー)は居住スペースやラゲッジスペースを犠牲にしない設計。

