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エンジンテクノロジー超基礎講座062|トヨタ1GD-FTV:先鋭のみを追求せず、高耐久易整備性をも満足させる

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エンジンテクノロジー超基礎講座062|トヨタ1GD-FTV:先鋭のみを追求せず、高耐久易整備性をも満足させる

ステート・オブ・ジ・アート。鳴り物入りで登場したトヨタのエンジンならだれもがそう思う。もちろん性能は世界随一。しかしねらっている方向は遥かに広いユニットである。

SUV/ピックアップトラックへの搭載を主としたGD型は、われわれにとっても馴染みのある、いわゆる働くクルマのディーゼルエンジン高機能版である。長年にわたって世界中で称賛を浴びてきた先代KD型のあとを襲うだけに、長寿命高耐久といった堅牢性はもちろんのこと、環境対応やパフォーマンスの発揮にいたるまで全方位での高い性能を求められた。燃焼室やブロックの水路設計による冷却損失の回復、ポート配置による燃焼の改善と過給効率の向上、各種コンポーネントの最適化設計による機械損失の低減などを含め、最大熱効率は44%、200g/kWhの最小燃料消費率を実現している。グローバル対応だけに、後処理装置にはSCRを採用した。

現状では縦置き+後輪駆動が主設計。写真は日本仕様のプラドのもので、フロントデフをよけるためにオイルパンが大きくえぐられているのが特徴だ。

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