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エンジンテクノロジー超基礎講座027|BSFC(正味燃料消費率):燃料をどれくらい使っているか。つまり仕事の効率のこと

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エンジンテクノロジー超基礎講座027|BSFC(正味燃料消費率):燃料をどれくらい使っているか。つまり仕事の効率のこと

BSFC(Brake Specific Fuel Consumption)は、あまり聞き慣れない用語かもしれない。「正味燃料消費率」は、燃料消費率である。つまり言い換えれば、熱効率を示す数値でもある。【モーターファン・イラストレーテッド Vol.136より転載】

BSFCとはbrake specific fuel consumptionのことで、日本語にすると正味燃料消費率。比燃料消費率ともいう。「1km走る」あるいは「1馬力を出す」というエンジンの仕事を1時間続けたときに消費する燃料を重さ(グラム)で表す指標。したがって単位はg/kWhやg/pshになる。いわゆる燃料消費率であり、普段本誌が「燃費の目玉はここにある」と表現している運転領域で、もっともBSFCは小さくなる。

少々大雑把に言えば、熱効率を示す数字だと考えることもできる。そして、ブレーキの文字が入っているという点は、BMEPと同じ理由である。

上のグラフは、実在するエンジンをベースに考えた架空のエンジンの全開全負荷トルク曲線に熱効率を等高線で書き込んだものだ。もっとも色の濃い青の部分が燃費の目玉。この部分でBSFCはもっとも小さくなる。この目玉を大きくすることがエンジン設計者諸氏の課題である。

少々失礼な言い方をすると、目玉の小さいエンジンは「CVTを使ってなるべく目玉内にとどまる時間を長くする」ようにすると見かけ上のBSFCは小さくなる。ドライバーに嫌われない変速制御ができれば、これも美点になり得る。

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