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EV用ワイヤレス給電の実用化に向けた実証実験装置を大日本印刷・島田理化工業が共同開発

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EV用ワイヤレス給電の実用化に向けた実証実験装置を大日本印刷・島田理化工業が共同開発

大日本印刷(本社:東京都新宿区)と島田理化工業(本社:東京都調布市)は、電気自動車用ワイヤレス給電の実用化に向けて、実証実験装置を共同開発したことを発表した。

トラックヤードにおける荷役作業中のトラック(EV)への給電イメージ
トラックヤードにおける荷役作業中のトラック(EV)への給電イメージ

EVの普及や自動運転技術の進展にともない、新たな給電方法としてEV用ワイヤレス給電システムが期待されており、関連企業による実証実験や共通規格化が世界的に進められている。

今回の共同開発を通じて両社は、DNPのシート型コイルや島田理化のPWM(Pulse Width Modulation)制御インバーターなど、それぞれが強みとする技術・製品を融合・最適化し、実証実験装置として提供する。次世代インフラとしてのEV用ワイヤレス給電システムの社会実装に貢献していくという。

共同開発した実証実験装置の特長

1.実績のあるインバータ技術を活かし、高効率・大電力で複数車両への給電に対応

・島田理化が誘導加熱装置で長年培ったインバーター技術に加え、独自開発したデジタルPWM制御により、高効率で省エネルギーな大電力の給電を可能にした。
・実証実験装置は、出力11.1kWのインバーターユニットを4台内蔵。複数車両への個別または同時の給電や、1車両への複数コイル同時給電に対応する。

2.米国自動車技術会(SAE)規格に準拠し、漏洩磁界の少ない給電や多様な設置レイアウトを実現

・DNPが独自開発したシート型コイルにより、SAEが定める規格(WPT3:11.1kW)に準拠した薄型・軽量かつ漏洩磁界を抑えた給電が可能。
・コイルと給電ケーブルの接合回路の最適化により、最大ケーブル長30mでの給電を実現。多様な設置レイアウトに対応できる。

今後の展開

両社は連携を継続し、今後はEV関連企業に対して本装置の利用と実証実験の実施を促す。本装置は実証実験用として販売し、仕様変更などの個別相談にも対応するという。

装置の基本仕様

PWM制御インバーター

対応規格 SAE:WPT3準拠
サイズ:W800mm×D500mm×H1750mm
周波数:85kHz
出力電力:11.1kW×4(個別/同時給電)
給電効率:85%以上
入力電源:三相200V(55kVA)
ケーブル長:最大30m
検知機能:車両検知機能搭載

シート型コイルユニット(地上側)

対応規格:SAE:WPT3/Z2準拠
サイズ:W750mm×D720mm×H65mm
回路構成:フェライト・コンデンサ含む

装置の基本構成

実証実験の想定例

トラックヤードにおける荷役作業中の電動トラックへの給電

タクシープールにおける待機中のEVタクシーへの給電

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