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NTN、リヤ用小型・軽量ドライブシャフト「Rシリーズ」の販売を拡大

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NTN、リヤ用小型・軽量ドライブシャフト「Rシリーズ」の販売を拡大

NTNは2023年5月9日、高級車に多く採用されている後輪駆動車に最適なリヤ用小型・軽量ドライブシャフト「Rシリーズ」の販売を拡大していることを明らかにした。高い燃費改善効果が評価され、日本や欧州など各社の後輪駆動を主とするSUVやEVに採用されている。

ドライブシャフトはエンジンやモータなどのパワートレインユニットの動力(トルク)をタイヤに伝える部品。タイヤ側(固定式)とデファレンシャル側(しゅう動式)の2つの等速ジョイント(CVJ)とそれらをつなぐシャフトで構成される。

リヤ用小型・軽量ドライブシャフト「Rシリーズ」は、NTNが2015年に開発した「リヤ用軽量ドライブシャフト(※1)」の設計をベースに幅広いサイズバリエーションを取り揃えたシリーズで、後輪駆動の内燃機関車や電気自動車(EV)に適用が可能だ。

適用箇所
適用箇所

従来、リヤ用ドライブシャフトにはフロント用CVJが流用されてきたが、「Rシリーズ」は、リヤ用に必要な作動角や機能に限定した形状への最適化を図るとともに、肉厚を薄くした中空シャフトとコンパクトブーツを採用。各構成部品の見直しにより、必要な負荷容量を確保しながらリヤ用CVJとして世界最小・最軽量を実現した。

脱炭素化社会を背景に自動車のCO2排出量の削減への対策が進む中、ドライブシャフトの軽量化へのニーズはこれまで以上に高まっている。「Rシリーズ」の軽量化による燃費改善効果をJAPIA LCI算出ガイドライン(※2)に基づき内燃機関搭載車で試算した場合(※3)、従来品適用車両に対して燃費は0.05%の改善、CO2排出量は0.075g/kmの削減が見込まれる。こうした環境性能が欧州をはじめとする国内外の自動車メーカに高く評価され、採用につながったという。2018年に量産を開始して以来、着実に販売を拡大している。

今後、燃費規制が一層厳しくなる中、後輪駆動形式が採用される傾向にある高級車への適用の可能性が広がる。EVにおいては、走行性能向上のため車両の前方と後方にそれぞれパワーユニットを配置する四輪駆動車(4WD)が増加する傾向にある。そのため、軽量を特長とする同シリーズの需要がさらに高まることを見込んでいるという。

※1:「リヤ用軽量ドライブシャフト」を開発(2015年10月27日プレスリリース)
※2:日本自動車部品工業会が定める自動車の製造、使用段階における効率的なライフサイクル環境負荷量の算出方法
※3:車重1467kg・燃費17.6km/Lの車両を仮定し、WLTP条件で走行させた場合(CVJ取付け角度:6度)

「Rシリーズ」の特長

【軽量化】従来品比30%低減(中型の後輪駆動車に適用されるドライブシャフトの場合:2.2kg軽量化)
【小型化】従来品比CVJ外径で3~5%低減
【作動角度】19度(固定式、しゅう動式)

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