パナソニック オートモーティブの歩行者検知機能付き車載リアカメラがトヨタ「プリウス」に採用
パナソニック オートモーティブ(本社:神奈川県横浜市)は5月22日、同社の歩行者検知機能付き車載リアカメラ(以下、車載リアカメラ)が、トヨタプリウスに採用されたと発表した。
目次
車載リアカメラは、運転席から死角となりやすい後方の映像を運転席付近のディスプレイに投影する。車体の真後ろにある背丈の低いものなどをいち早く発見するなど、後方の安全確認をスピーディかつ正確に行えるようにするもの。
また、車載リアカメラに内蔵された検知機能が、歩行者の歩行状況を検知して運転手にブザーで注意喚起を行う。歩行者と衝突する可能性がある場合は検知結果をブレーキ制御にフィードバックし、車を自動停止させる。
商品の特長
1.検知機能の追加と小型化を両立
車載リアカメラに検知機能を追加することで、カメラ内のCPU負担が増大し発熱量が従来比約3倍となる。排熱処理のためにカメラサイズが大きくなるところを、消費電力低減、放熱構造・熱伝導部品の工夫などにより、従来品並みの大きさを実現した。これにより、車両デザインを損なうことなく設置できるようにした。
2.歩行者検知とカメラレンズ面汚れ検出機能
車両後退時の接触事故を防ぐためには、歩行者の輪郭を背景から検出する必要がある。この検知には、画質の最適化や形状検知、移動量検知など複数のアルゴリズムを併用している。また、歩行者が不在にもかかわらず、歩行者がいると誤って認識しブレーキ制御が行われないよう、アルゴリズム間の調整処理による誤検知の抑制も行っている。
歩行者検知機能の動作を阻害するカメラレンズ面への汚れを検出しレンズ清掃を促す機能も有している。
3.検知性能向上に向け、映像処理をビューと検知に分離。画質調整に適した独自の映像処理エンジンを採用
高精細・高画質な映像をディスプレイに表示しながら検知性能を最大限に引き出せるよう、信号処理LSIの映像処理ブロックをビュー(ディスプレイ表示用)と検知(歩行者検知用)の2経路に分離した。これらの画質調整機能の実現にはパナソニックの映像処理エンジンを採用しており、人物検知に適したコントラスト補正と色再現性などの高視認性技術が活用されている。