出光興産、EV・HEVに使用可能なオイルを開発。冷却システムの簡素化も
出光興産は6月29日、e-Axle(イーアクスル)や電子機器、バッテリーシステムに使用可能なオイル「E AXLE and Electric Parts Cooling Oil」を開発したと発表した。
e-Axleは、モーター、パワーコントロールユニット(PCU)、減速機から構成される電気自動車(EV)やハイブリッド車(HEV)向けの次世代駆動ユニット。
EV・HEVのモーター、電子機器、バッテリー、ギア、ベアリングなどは、性能維持のため冷却および潤滑が必要になる。EVやHEVの各部位における冷却媒体は、冷却水(LLC)、e-Axleオイル、またはバッテリー冷却オイルと複数媒体を用いた設計が検討されているが、システム回路の複雑化が課題となる。
同社は、開発現場における冷却回路の簡素化による部品点数削減や室内空間の確保、油種の統一化に寄与することを目的に同製品を開発。
従来、e-Axleにおいてはモーター冷却性と減速機の潤滑特性がオイルに求められてきたのに対し、同オイルは冷却対象をモーターだけでなくバッテリーやPCUなどの電子機器に広げ、オイルで直接冷却できるようにした。
今回開発したオイルを含め、用途に応じた6カテゴリーのEV・HEV向け商品をラインアップし、電動技術を全方位的にサポートする。
今後は、国内外自動車メーカーおよびTier 1(メーカーと直接取引する1次サプライヤー)向け商品として提案・販売を強化していく。
E AXLE and Electric Parts Cooling Oilの特長
1.冷却システムの簡素化
e-Axle、電子機器およびバッテリーの冷却、潤滑を担う液体を1液化することで、冷却システム簡素化を実現する。
2.高次元での省エネ性とギア・ベアリングの潤滑性の両立
e-Axleに必要とされるギア・ベアリングの潤滑性と高い冷却特性による省電費性を高次元で両立する。
3.電装部品の冷却性と電気絶縁性の両立
モーター、バッテリーなど電子機器を直接冷却することが可能。