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経産省が商用電動車両を用いた実証を開始。運輸部門のカーボンニュートラル実現に向けて

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経産省が商用電動車両を用いた実証を開始。運輸部門のカーボンニュートラル実現に向けて

経済産業省は、グリーンイノベーション基金事業の一環として、運輸部門のカーボンニュートラル実現に向け、商用電動車両を用いた実証を開始した。

グリーンイノベーション基金は、同省がNEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)に立ち上げた事業。今回の実証は、同事業の一貫で実施する「スマートモビリティ社会の構築」プロジェクトにおいて行う。

商用車は稼働率が高くエネルギー消費量も多いため、既存の電動車では航続距離や充電時間の課題があり電動化が遅れている。同プロジェクトでは、商用車が計画的に運行されることに着目し、運行管理と一体的にエネルギーマネジメントを行い、商用電動車の連携によるエネルギー利用と運行の最適化を図る取り組みを進めている。

運輸部門のカーボンニュートラル実現に向けて、まずは、Commercial Japan Partnership Technologies(CJPT)、大阪市高速電気軌道、ヤマト運輸などの事業者が導入を始めた商用電動車の車両・走行データの収集を開始。車両・走行データの収集を進めることで、運行管理と一体的なエネルギーマネジメントシステムとシミュレーション技術の研究開発・実証を実施する。

CJPTの燃料電池小型トラック
CJPTの燃料電池小型トラック

CJPTと参画コンソーシアムは、福島県内で2023年2月から、東京都内で2023年4月から、燃料電池小型トラックによる実証を順次開始。今後は、水素充填タイミングと配送計画を一体としてマネジメントし、水素充填によるダウンタイムも考慮した効率的な運行を目指す。

大阪市高速電気軌道は、大阪府で2023年7月より順次、電気バスによる実証を開始。導入車両は、大阪・関西万博における会場内外の輸送にも活用される。計100台の導入車両のうち、約10台を自動運転化し、レベル4での運行を目指す。車両は全てEVモーターズ・ジャパン製となる。

ヤマト運輸は、2023年6月に、群馬県と「カーボンニュートラル実現に向けた共創に関する連携協定」を結んだ。本協定に基づき、群馬県内におけるBEV導入・運用、エネルギーマネジメントに向けた取り組みを推進。特に、同プロジェクトにおいては、カートリッジ式バッテリーのトラック輸送によるエネルギーマネジメント実証を計画している。

経産省は、実証に用いる商用電動車の導入台数をさらに拡大する予定。エネルギーマネジメント技術の開発を進めることで、社会全体および個別運輸事業者におけるエネルギー利用や運行管理などの最適化を実現するスマートモビリティ社会の構築を目指す。

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