BMWがAWSと提携、次世代車両の自動運転システム開発をクラウド活用で効率化
Amazon(アマゾン)グループのAmazon Web Services(AWS)は9月5日、BMWグループの推奨クラウドプロバイダーに同社のクラウドサービスが選定されたことを発表した。
BMWグループは、次世代車両の開発を効率化させるため、AWSのクラウドサービスを活用して次世代の先進運転支援システム(ADAS)の開発をする。AWSのコンピューティング、生成系 AI、IoT、機械学習、ストレージなどのクラウドサービスを活用し、ソフトウエアのテスト・検証の効率化、システムの安全性の確保、次世代車両の開発や市場投入までの期間の短縮などの実現を目指す。
ADASは、早期警告システムのほか、安全で快適な自動車の運転をサポートする機能も備えている運転支援システム。高度なソフトウエアや車載センサーを使用して、ドライバーに警告を出し、自動ブレーキやステアリング機能で走行中の車両性能を向上させるよう設計されている。
AWS上で次世代のADASプラットフォームを開発することで、顧客の要望により迅速に応えられるようになるだけでなく、運転をより快適にする新しい機能を提供できるようになる。
BMWグループは、Qualcomm Technologies(クアルコムテクノロジーズ)と共に、スナップドラゴン・ライド・プラットフォームをベースにした次世代の自動運転システムを開発。システムにはライドビジョンの統合ソフトウエアスタックが搭載されており、車両の周囲360度を感知できる。
AWSやクアルコムテクノロジーズとの連携により、自動運転開発プラットフォームにおいて、先進のハードウエアやビジョンソフトウエア、クラウドのさまざまな機能を活用できる。BMWグループの自動運転プラットフォームをクラウド上に構築することで、グループの車載ソフトウエアチーム内における開発のサイロ化を回避できるほか、サプライヤーとのよりグローバルな連携を促進し、自動運転のイノベーションも加速させることができる。
車間距離制御装置やパーキングアシスト機能、パイロット運転をなどの自動運転機能の導入など、自動運転機能の開発に必要なデータ量の大幅な増加に対処するため、AWSを活用してその機能拡張も進めていく予定。クラウドベースのインフラストラクチャは、新たな機能を開発してより短期間で提供できるようにする基盤となると見込む。
AWSを活用して開発したADASは、2025年に販売予定の次世代車両「ノイエ・クラッセ」に搭載される。