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パナソニックHD、インドのラストマイル交通向けIT運用支援システム構築の実証運転を開始

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パナソニックHD、インドのラストマイル交通向けIT運用支援システム構築の実証運転を開始

パナソニック ホールディングス(パナソニックHD)は10月17日、インドのETO Motors(ETOモーターズ)と連携してインドのラストマイル交通向けIT運用支援システム構築を完了し、10月より実証運転を開始したと発表した。

インドでは、急激な経済成長に伴い、主に都市部で交通渋滞や大気汚染が深刻な社会問題となっていて、環境負荷の低い電動車両(Eモビリティ)の普及施策の実施やメトロ交通網の拡張が進められている。

NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)とインドのデリー準州政府交通局は、出発地から最寄り駅までの区間と最寄り駅から目的地までの区間(ラストマイル交通)における乗客の利便性と輸送効率の向上を目的とした、Eモビリティ向けIT運用支援システムの実証事業に取り組んでいる。

同事業ではオンデマンド運行管理、配車アルゴリズム、バッテリーマネジメントの機能を持つクラウドシステムを構築。Eモビリティ用充電器利用の認証・情報(充電ログ)やEモビリティの走行ログ・運行ログ・電池データをモバイル通信でクラウド上に取り込み、アプリを介してオペレーター(車両運用事業者)・ドライバー・乗客向けにさまざまな機能を提供する。

オペレーターアプリでは、車両管理や運用管理、電池管理などが可能。ドライバーアプリでは、需給マッピングや高精度電池残量の表示、キャッシュレス決済に対応する。乗客アプリでは、空き車両情報の提供のほか、乗車予約やキャッシュレス決済の機能を提供する。

同事業の一環で、助成先のパナソニックHDとEモビリティの製造・運営事業者であるETOモーターズは、プロジェクト合意書を締結し、実証運転に着手した。

実証運転では、出発地や目的地とデリーメトロのカルカジ・マンディール駅および近郊3駅(オクラNSIC駅、ネルー・エンクレイブ駅、ネルー・プレイス駅)との間をつなぐラストマイル交通向けのEモビリティを対象に、同システムを導入・運用する。

実証運転で取得されるデータと、同システム導入前に取得した基本データの比較により、乗客数の増加や運行効率の向上(車両稼働時間増加、到着時間短縮)、運用コスト削減(オペレーターの省人化、バッテリー活用時間向上)などを検証し、効果をより高めるため同システムの改良・最適化を行っていく。

実証事業の成果の社会実装を通じてラストマイル交通向けEモビリティとデリーメトロの利用増加を実現し、交通渋滞の改善や温室効果ガス(GHG)排出量の削減を目指す。

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