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2023年の出来事と2024年の見通し:規制と法規の動向

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2023年の出来事と2024年の見通し:規制と法規の動向
(PHOTO:Shutterstock)

BEV普及をめざすEUと米国では、その方法が新たな摩擦を生んでいる。
あまりに急激な「変化」を求める結果、摩擦は混乱となり、国際問題にも発展しつつあるのが現状だ。

かつては旺盛だったOEM(自動車メーカー)でのパワートレーン開発は、直近の2年ほどでxEV(何らかの電動駆動機構を搭載した車両)へと大きくシフトした。

 BEV=Battery Electric Vehicle

 HEV=Hybrid Electric Vehicle
 PHEV=Plug-in Hybrid Electric Vehicle
 FCEV=Fuel-Cell Electric Vehicle

現状でxEVといえば上記の4カテゴリーである。すべてElectricVehicle=電気自動車という文字が入っている。日本で一般に言われるEVはBEV(バッテリー電気自動車)を指すが、これは非常に狭い意味でのEVである。


BEVは100年以上の歴史がある。鉛酸電池を使う20世紀初頭の電気モーターも、回転立ち上がり直後に最大トルクを発生するという特徴は現在と変わらなかった。回転上昇につれてトルクが下降する点も同じだった。自動車のような重量物を動かす動力としては正しい性能を備えていたが、電気を貯める技術がまだ未熟だったため、ガソリン軽油などを使うICE(内燃機関)と変速機の組み合わせに敗れた。ふたたび日の目を見た現在の電気モーターも「電気を貯めておく」という電池の性能と価格の高さが普及のうえでの最大のネックである点は100年前と変わっていない。

著者
牧野 茂雄
テクニカルライター

1958年東京生まれ。新聞記者、雑誌編集長を経てフリーに。技術解説から企業経営、行政まで幅広く自動車産業界を取材してきた。中国やシンガポールなどの海外媒体にも寄稿。オーディオ誌「ステレオ時代」主筆としとてオーディオ・音楽関係の執筆にも携わる。

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