トーヨータイヤ、サステナブル素材90%のコンセプトタイヤ開発
TOYO TIRE(トーヨータイヤ)は1月12日、使用原材料の90%にサステナブル素材を用いたコンセプトタイヤを、幕張メッセで開催する「東京オートサロン2024」に参考出品したと発表した。
サステナブル素材とは、タイヤを製品化する上で必要な原材料のうち、環境負荷の低減に寄与することが認められる素材のこと。天然由来などの再生が可能な「リニューアブル素材」と、すでに何らかのかたちで使用したものを再利用した「リサイクル素材」に大別される。
今回のコンセプトタイヤには、リニューアブル素材としてバイオマス由来ブタジエンゴム、バイオマス由来スチレンブタジエンゴム、籾殻灰シリカ、植物由来オイル、バイオ由来ポリエステル繊維などを全体の約60%に採用し、リサイクル素材としては富山大学との共同開発で成功したCO2由来のブタジエンゴムをはじめ、再生カーボンブラック、再生ビードワイヤー、再生スチールコードなどを全体の約30%に使用している。
これまで同社が開発したサステナブル素材のコンセプトタイヤの使用比率50%を大幅に上回ることになるという。
同社では、製品におけるサステナブル素材使用比率を2030年時点で40%、2050年には100%を実現するという目標を掲げている。
同タイヤは、タイヤのライフサイクル全体における温室効果ガスの排出量低減やEVの航続距離向上に大きく寄与する「転がり抵抗係数」を極小化し、タイヤラベリング制度(※)で転がり抵抗値のレベル最上位である「AAA」相当を実現している。今後、実用化に向けたさらなる技術革新を進めていくとしている。
東京オートサロン2024の開催日は、1月12日~14日。
※タイヤラベリング制度:タイヤ業界(日本自動車タイヤ協会:JATMA)が業界自主基準として策定。転がり抵抗性能とウェットグリップ性能の両性能ともある一定値を満たすタイヤを「低燃費タイヤ」として定義づけし、消費者へ適切な情報提供を行うラベリング方法(表示方法)を明確にしたもの。