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HR 2モータースプリット|EVから時代は再びHEVなのか!?トヨタのハイブリッドシステムを振り返る②

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HR 2モータースプリット|EVから時代は再びHEVなのか!?トヨタのハイブリッドシステムを振り返る②
LSクラス用スプリット+ 変速機ユニット:RHM50|MG2の型式は2NM、最高出力は132kW/最大トルクは300Nm。MG2用の2段減速機に替えて、MG2トルクアシストを経た出力軸全体に4段変速機を掛け合わせる構造。MG1/MG2/4段変速機の組み合わせで10段変速制御としている。

レクサスをはじめとしたFR車のために仕立てられたハイブリッドトランスアクスル群は、高速域でも高効率を追求しているのが特徴。さらに横置き式に比べて高機能化を図り、遊星歯車機構を組み合わせてユニークな機構としている。

TEXT:MFi PHOTO:AISIN/MFi

縦置き式の2モータースプリットユニットは「高速巡航時の効率に乏しい」と言われていた当時のTHSの欠点を補うことを目的に投入された。2006年3月にデビューしたGS450hに搭載されたのが初出で、MG2の高効率エリアを拡大するために2段変速機と組み合わせる構造としている。このところ注目される「モーターの多段化」は、本機構ですでに実現していたのが非常に興味深い。

横置き式THSのMG2が減速機を備えてトルク向上を狙ったのは2005年のハリアーから。GS450hのトランスアクスルは、その遊星歯車機構を複列配置のラビニヨ式遊星歯車機構に替えて低速段3.9/高速段1.9の変速比を持つ減速機として備えていた。なお、上流の動力分割機構は締結要素を持たないTHSおなじみの仕組みだが、こちらの2段変速機には湿式多板のクラッチ(ケース固定なので正しくはブレーキ)を用いている。その後、スピードレンジを抑えた一段減速機仕様がクラウンやISに積まれてデビューしている。

4段変速機は2クラッチ2ブレーキ1ワンウェイクラッチの合計5締結要素で、2締結し機械的な前進4段変速制御としている(1速のみワンウェイクラッチを併用締結)。変速比は0.650~3.538。10段のうち、3→4、6→7、9→10が機械変速。

比較的高出力・大トルクエンジンと組み合わせることから、動力分割機構でそれを反力として受け止めるMG1/MG2にも大トルク特性が求められる。縦置き式は長さ方向には比較的余裕があることから、径は抑え気味/長さを確保する格好でふたつのモーターが収まっている。

機械的な配置は上流から、MG1―動力分割機構―MG2―減速機。エンジン出力は入れ子状のシャフトでプラネタリーキャリアに直結、サンギヤ接続のMG1は上流側に戻る格好で駆動される。リングギヤ出力は出力軸に接続されるが、横置き式では平行軸歯車で出力軸をアシストする経路になっているのに対し、基本的に一軸構造としなければならない縦置き式は遊星歯車を使用。出力軸はプラネタリーキャリアに接続、MG2出力をサンギヤに出力するトルクフローとしている。

なお、先述の2段変速は、フロントサンギヤを固定して低速段を、リングギヤ固定で高速段を生み出している。

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