R10L80h 1モーターパラレル|EVから時代は再びHEVなのか!?トヨタのハイブリッドシステムを振り返る③
10速ATで、トルコンが残っていて、さらにクラッチ+モーターも装着。まさに「全部載せ」の感もあるプレミアムユニットが、トヨタ・タンドラに積まれて登場した。なぜこれほどの装備としているのか。理由は北米ならではの使われ方にあった。
TEXT:MFi PHOTO:AISIN/MFi
縦置きの10速ATにモーターを組み合わせた本機は、北米市場のトヨタ・タンドラiFORCE MAXグレード(ハイブリッド仕様)に搭載される新型ユニット。10速ATとしては先行してレクサスLC/LS用が登場を果たしているが、こちらとは10段の数字以外に直接の関連はない。非常に長く見えるユニットは、上流からクラッチ―モーター―トルクコンバーター―10速ATという構成。タンドラにはハイブリッドではないコンベンショナルグレードもあり、その場合はトルクコンバーター以降のみの10速ATを搭載する。
なぜ10速か、なぜ1モーターか。その理由はタンドラというプロダクトの性質に大きく関連する。かの地ではタンドラのようなピックアップトラックはトーイング:キャンピングカーやトレーラーなどの重量物牽引が多く、そのような走行シーンでは「極低速における大トルク要求を長時間」という、パワートレーンにとってはきわめて厳しい条件となる。このR10L80h型は、タンドラの「プレミアム・トーイングマシン」というコンセプトにミートするように設計されている。