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【海外技術情報】VWグループ:スカニア・MAN・ナビスター・Plusが提携してレベル4自動運転トラックの世界的商業展開を目指す

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【海外技術情報】VWグループ:スカニア・MAN・ナビスター・Plusが提携してレベル4自動運転トラックの世界的商業展開を目指す

VWグループが傘下の企業を結集させて、レベル4自動運転トラックの世界的な商業展開を目指す。VWグループの子会社で自動運転ソフトウェアの世界的プロバイダーであるPlusと、同じくVWグループ傘下にあるトレイトングループの商用車メーカーであるスカニア、MAN、ナビスターが、レベル4自動運転トラックの世界的な商業展開を目的とした長期パートナーシップを締結した。

VWグループが総力を結集してレベル4自動運転トラックの世界的な商業展開を目指す

Plusのレベル4自動運転ソリューション「SuperDrive」を搭載したトレイトングループのトラックは、すでにヨーロッパとアメリカの公道でセーフティドライバー(安全要員)を同乗させてテストされているが、Plusとトレイントングループは2024年内にフリートによる商業運用を試験的に開始し、その後さらに量産と世界規模での商業展開を開始する予定であると発表した。

Plusはアメリカ・カリフォルニア州シリコンバレーに本社をおき、アメリカ、ヨーロッパ、オーストラリアで事業を展開しているスタートアップ企業。次世代安全システムから高度に自動化された「PlusDrive」「SuperDrive」といった自動運転ソフトウェアソリューションの世界的なプロバイダーである。フォーブスによりアメリカの最も優れたスタートアップ企業の 1 社に選ばれている。

またトレイトングループとは、スカニア、MAN、ナビスター、VWトラック&バスのブランドを擁している、VWグループ傘下の企業である。

スカニア副社長兼自律ソリューション責任者でありトレイトングループの自律ソリューションを主導しているピーター・ハフマー氏は以下のように述べた。

「安全で効率的かつ持続可能な多様な輸送ソリューションを提供する当社にとって、自動運転は顧客の特定のニーズに応じて適応するための重要な技術の一部であり、これがPlusとのパートナーシップによってさらに強化される」

一方でPlusのCOO兼共同創設者であるショーン・ケリガン氏は以下のように述べている。

「Plusはスカニア、MAN、ナビスターという、歴史と信頼のある世界的な商用車ブランドに、業界をリードする当社の自動運転ソフトウェアが選ばれたことに興奮しています。私たちは力を合わせてレベル4自動運転トラックの世界的な商業化を加速し、より安全で持続可能な輸送ソリューションを市場に投入していきます」

この長期的なパートナーシップは、2023年に発表されたトレイトングループとPlusとによる共同開発と、さらに遡るコラボレーションに基づいて構築される。

開発チームはテキサス州サンアントニオとダラス間の交通量の多い貨物路線において、すでにレベル4の自動運転トラックのテストを開始している。テストはテキサスの三角地帯や州間高速道路10号線の他のルートにも拡大する予定。商業展開はアメリカの戦略的ルートに沿って段階的に拡大する予定である。

ヨーロッパでは現在、スウェーデンのセーデルテリエとニーショーピング間の路線で試験が実施されており、2024年には他の欧州諸国の顧客と試験運用を実施する予定であるという。

日本においては「物流の2024年問題」として効率化が急がれているが、レベル4自動運転トラックは間違いなくその解となり得る。今後の動向に注目して行きたい。

著者
川島礼二郎
テクニカルライター

1973年神奈川県生まれ。大学卒業後、青年海外協力隊員としてケニアに赴任。帰国後、二輪車専門誌、機械系専門書の編集者等を経て独立。フリーランスの編集ライターとして、テクノロジーをキーワードに執筆している。

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