ステランティス、新型のマルチエネルギープラットフォーム「STLAフレーム」を発表

強度と効率性を追求した革新的な設計

ステランティスの新しいSTLAフレームプラットフォームは、レンジエクステンダーEV（REEV）技術により最大1100km、バッテリー電気自動車（BEV）では800kmのクラス最高レベルの航続距離を実現するよう設計されている。さらに、最大牽引能力6350kg、最大積載量1224kgを実現する。さらに、このプラットフォームは最大610mmの渡河水深に対応しており、厳しい環境や多様な使用事例にも対応する。

バッテリー、前部および後部の電気駆動モジュール（EDM）、車載発電機、内燃エンジンを組み合わせたREEVシステムにより、航続距離を犠牲にすることなく、長距離にわたって重い荷物を運搬したり牽引したりすることが可能になる。エンジンから車輪への直接的な機械的経路がないため、必要に応じて発電機がEDMに動力を供給して車両を推進させ、バッテリーを再充電する。これにより、負荷がかかった状態でも航続距離を確保できると同時に、電気エンジンのトルクを活かして車両のダイナミクスを新たな高みへと導く。

充電の柔軟性と双方向給電

このプラットフォームは、最大航続距離を十分に確保するために159～200kWh以上の液冷式バッテリーパックに対応している。最大250kWの定格出力を持つ前部および後部のEDMを設計し、これにより四輪駆動が実現された車両は、0-96km/h加速を4.4秒で達成する。エアサスペンションを含む柔軟なサスペンション設計により、さまざまな運転条件や積載状況に最適化された乗り心地を実現する。

またSTLAフレームは高速充電をサポート。BEV構成では、最大350kWの800V DC高速充電により、わずか10分で航続距離を100マイル（約160km）伸ばすことができる。一方、REEVでは、最大175kWの400V DC高速充電により、10分間で50マイル（約80km）の航続距離を伸ばすことができる。

STLAフレームを搭載した車両は双方向充電機能を備えており、車両のバッテリーを別のEVに充電したり、緊急時に住宅に電力を供給したり、送電網に電力を送り返したりすることができる。

STLAフレームの主な仕様